大正期に活躍した茨城県水戸市出身の洋画家。肺結核のために千葉で療養中に水彩の風景スケッチに親しんだことで画家への道を歩むことになる。1906年に本郷菊坂、次いで赤坂の白馬会研究所へ通い、終生交流を持つことになる中原悌二郎と出会う。翌年には中原についで太平洋画会研究所に転じ、中村不折や満谷国四郎らの指導を受ける。1909年には第3回文展に「曇れる朝」「巌（いわお）」（宮内庁三の丸尚蔵館蔵）を出品し初入選、褒状を受賞。1911年から数年は、女性問題と創作上の苦心から心理的葛藤に苦しむ。1913年からは『少女』等、ルノワールへの強い傾倒を示す作品を発表する。1914年第８回文展に「小女」（株式会社中村屋蔵）を出品、３等賞受賞。1916年、新宿区下落合にアトリエを新築。第10回文展に「田中館（ルビたなかだて）博士の肖像」（東京国立近代美術館蔵）を出品し特選となる。1920年の帝展に出品した「エロシェンコ氏の像」は大きな賞賛を持って迎えられ、大正期の洋画を代表する記念碑的作品のひとつとなっている。1924年、第5回帝展に「老母の像」（水府明徳会蔵）を出品。1924年12月24日、下落合のアトリエにて他界。享年37歳。