
北大路魯山人
きたおおじろさんじん陶芸家、書家、美食家、料理家。初め書家として名声を博す。料理や骨董にも興味を持ち、1919年東京に骨董店「大雅堂芸術店」を開店、やがて作陶も始める。特定の師を持つことなく、独自の鑑賞眼を以て古美術品から学んだ技と精神を土台に、独創的な作品を生み出した。1955年人間国宝認定辞退。

【テーマ・図柄】Q:高く売れる図柄・作風はありますか
魯山人は実は、篆刻、書、絵、そして食の専門家でもあり、
「陶芸家」としてくくることのできない芸術家です。
その意味でも簡単に語ることができない人であり、作品ですが、
銀彩花入、織部花入など、桃山などの伝統的陶芸を心に置きながらも
大きく構想を膨らませながら同時に用の美の質素さも持つ、
この人の作風を強く反映する作品が評価が高いといえるでしょう。
Q:制作年代は買取価格に影響しますか?
やはり比較的晩年の評価が高いです。
魯山人は、前半期の作品は箱書きにも作品本体にも「魯山人」ないし「魯」などの銘を入れますが、
中途から無造作に「ロ」を入れるようになります。
この「ロ」時代の作品に成熟した魯山人芸術が多いのは事実でしょう。
若いときは端的に実用性の高いものが多いともいえます。
【共箱、共シール】Q;陶磁器が入っている箱は評価に影響しますか
陶磁器全般に言えることですが、作者自身が箱に署名したものを「共箱(ともばこ)」といい、
査定する上で大変重要です。写真をお送りいただく際は必ず共箱も撮ってお送り下さい。
上記のように「ロ」サインのものが評価がありますが、もちろん後期でなければいけないということはありません。
また、彼が実質的に運営していた「星ヶ岡茶寮」の数物(かずもの=だくさんあるもの)は、比較的安いです。
共箱の失われている場合も多く、その場合は、しばしば下記の黒田さんの箱書きが有効です。
ただ、共箱も黒田箱も、それがよいかどうか判断が必要なケースもあり、経験のある専門家の判断が必要です。
また、後期の作品は友斎箱になっており、これも重要な要素です。
一方、箱書きが薄くなっていたり、汚れている、壊れている、などのケースも散見され、
評価に影響を与える場合もありますのでご留意下さい。
ただし、一般の方がこの文章を読んで先回りをして箱を直されたり綺麗にしようとしたりすることはお勧めしません。
必ず美術商のアドバイスを受けられていただきたいです。
私どもでは魯山人作品を常に探し求めております。
ぜひご相談下さい。
【サイズ】Q:形状によって評価は変わりますか?
茶碗、皿、ぐい呑、香炉など同じ作家によっても種類で買取価格は変わってきます。
北大路魯山人の場合、最初の項目であげた、花入のほか、花文様の大鉢、
また志野の茶碗、ジョッキなど、希少かつ作風の堂々たるもの、
大きくて構成されているものは評価が高いです。



北大路魯山人の場合、銀座黒田陶苑さんで鑑定・箱書きを行っています。
弊社で鑑定取得の代行もいたしますので、お気軽にご相談ください。
北大路魯山人作品の相続
秋華洞では、北大路魯山人作品の買取だけでなく、相続査定評価書の作成も行っています。
相続や企業様の美術品評価が必要な場合はお気軽にご相談ください。

ここでは、陶磁器について触れましたが、冒頭で書いたように、書・絵画なども評価が高いです。
もちろん、どんな作品にも雁物もあり、査定・鑑定は必ずしも簡単でないのが、この魯山人芸術の世界です。漫画のモデルになったくらい、高慢でエゴイストだった人のようですが、今でいえば「アスペルガー」的な人、自分の夢中になったものだけに集中する人柄だったのかもしれません。それだけに、その人がどうであれ、変わらぬ魅力を魯山人芸術は発揮し続けています。
陶芸・書・絵画ともに、弊社では常に探し求めています。もしお持ちのものがあれば是非私ども秋華洞にご相談下さい。