濱田庄司
はまだしょうじ大正5年東京工業学校窯業科卒業後、河合寛次郎と共に京都市立陶芸試験場にて釉薬の研究に勤しむ。柳宗悦、B・リーチに出会い、リーチと共に渡英し築窯作陶、のち昭和5年から益子で作陶開始。手轆轤によるシンプルな造形、流筆の大胆な模様を得意とする。人間国宝、文化勲章、日本民芸館2代目館長、昭和52年には益子参考館を開館。
濱田庄司作品 査定ポイントはこちら
濱田庄司は、柳宗悦が提唱した「民芸運動」の代表選手で、日本民藝館の館長も務めた作家です。
使ってこそ「美」である、という「用の美」の考え方をまさに実践し、日本人の生活や気持ちによりそう作品群を発表しながらも、際立った個性を発揮しました。
こちらでは濱田庄司作品 査定のポイントを詳しく解説します。
・POINT 1. 高く売れる作風
・POINT 2. 制作年代は評価に影響するか
・POINT 3. 共箱について
・POINT 4. 形状によって評価は変わるか
・POINT 5. 鑑定について
POINT 1
高く売れる作風
益子焼の代表作家でもあり、また柳宗悦の「民芸運動」の象徴でもあった濱田庄司は非常に仕事量も多く、様々な作品があります。そのなかでも割合多いのがお皿、そして壺ではないでしょうか。
濱田の場合、大皿に、彼らしい幾何学模様をのびのびと施した作品がなかでも人気があり、高く評価されます。
一方で、比較的地味で、単色に近い作品は相対的に評価が高くないことも多いでしょう。
POINT 2
制作年代は評価に影響するか
彼は非常に多作で、充実期の作品も豊富なため、あまり年代による評価の違いを強く意識することは少ないですが、やはりいわゆる「前作」と呼ばれる若年期の作品は比較的低い評価になるでしょう。より晩年に近いほうが評価が高いといえるでしょう。
POINT 3
共箱について
陶磁器全般に言えることですが、作者自身が箱に署名したものを「共箱(ともばこ)」といい、査定する上で大変重要です。写真をお送りいただく際は必ず共箱も撮ってお送り下さい。
さて、彼の場合、豊富に作品がある分、真似た作品も多く、箱書きの雁物は極めて多いです。ネットにも大量に出回っているので、細心の注意が必要です。よい箱書きを見極めるのさは経験が必要ですので、もし心配なものがあればお気軽にご相談下さい。
また、下記にふれる濱田の鑑定家、ご長男の晋作さんが鑑定を行った晋作さんの箱の作品も当然ありますが、やはり共箱の方が若干評価は高くなります。
POINT 4
形状によって評価は変わるか
茶碗、皿、ぐい呑、香炉など同じ作家によっても種類で査定評価は変わってきます。濱田庄司は実に多彩な作風、形がありますが、どれも素朴さと優美さを兼ね備えたものです。
どの形でなくてはいけない、ということはないのですが、上記にあるように、大きな皿は評価が高い傾向があります。
POINT 5
鑑定について
濱田庄司の作品は、息子さんにあたる浜田晋作さんが鑑定をされています。ただ、鑑定に持ち込むべき作品かどうか、まずは見てみるのがよいかと思います。しばしば、単なる「益子焼」を、濱田庄司作と勝手に誤解されているケースもあり、幾分混乱されているケースもございます。まずは弊社にご相談ください。
濱田庄司鑑定機関:濱田晋作