京都生まれの日本画家。本名文治郎、字文質、別に龍池草堂主人、聾廬迂人の号を用いる。20歳代で頭角を現し、明治後半から大正期にかけて文展で活躍。徹底した写生を基礎に卓越した技術と独自の感性により精緻にとらえられた動物画は特に評価が高い。京都市立商業学校を中退後、明治26年に京都の円山・四条派の流れをくむ今尾景年に学ぶ。明治36年、第5回内国勧業博覧会「揺落」出品し3等賞。明治40年、文展第1回出品の六曲一双「しぐれ」が2等賞を受賞。大正7年、京都絵画専門学校（現京都市立芸術大学）教授となる。昭和13年に歿。享年62歳。内国勧業博覧会等で受賞を重ね、第1回文展から第6回展まで連続入賞を果たし、たびたび審査員を務めて官展の代表作家となる。