川村清雄を
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江戸生まれ、洋画家。幼名は庄五郎、諱は修寛(ながひろ)。通称清兵衛、号に時童。
7歳で住吉派の絵師住吉弘貫に入門した後、南画家の田能村直入、江戸にて春木南溟に師事する。その後開成所にて高橋由一らに西洋画法を学ぶ。勝海舟の庇護を受け、明治4年渡米、画家を志す。翌年渡欧し、ヴェネツィア美術学校にてヴェネチア派の巨匠に学ぶ。帰国後、明治22年、明治美術会創立に参加、解散後は巴会を結成する。油彩画の技術を極めながらも画題や構図、支持体に日本画的精神を取り入れた作風を見せる。明治洋画の先駆者の一人である。作品に《少女》《かたみの直垂》など。
和魂洋才の画家 川村清雄
川村清雄は幕末に活動した洋画家で、その卓越した油画の技術で日本的題材を描いた、和洋折衷の画家として知られています。画壇と距離を置いていた故に日本絵画史からは長らく忘れられていましたが、近年になって再評価されています。代表作である『形見の直垂』を見ると、その技術力の高さが窺い知れるでしょう。
では、川村清雄はなぜ西洋画の影響を受けたのでしょうか。
留学生時代
川村清雄は明治4年、勝海舟らの支援を受けてアメリカへ渡航しました。その目的は主に法律、政治を学ぶことでしたが、本を読むよりも絵を描くのが好きだった19歳の川村清雄は、現地でもその画才で教師らを驚かせたと言われています。しかし留学生という身分のもと、勉強を捨てるわけにもいかず葛藤していた川村清雄を、画業に専念するよう後押ししたのが、のちに美術評論で活躍した外山正一でした。
川村清雄はその後ワシントンに向かい、当時風景画家として名の知られていたチャールズ・ランマンに師事します。当時ランマンの家に滞在していた津田梅子とも交流しました。
翌年、パリへと渡り更に学びを深めます。1年の滞在後、新政府の方針変更で留学生の一斉帰国が命じられ、川村清雄の留学生生活は終わりを迎えます。そして、川村清雄の生涯の画風に多大な影響を与えた地・ヴェネツィアへと渡ったのです。
ヴェネツィア時代
ヴェネツィアでは美術アカデミーに入学し、古典的な絵の勉強をする傍ら、ヴェネツィアの水辺を歩き回りスケッチを重ねました。この地に滞在した5年間は川村清雄の生涯で最も長い海外生活であり、青年期の青春そのものでした。
明治十四年、日本への帰国に際して、ヴェネツィア生活で親睦を深めたスペイン画家のマルティン・リーコから手紙が送られました。それは川村清雄を激励するとともに、「日本の趣味」を失ってはいけないと忠告していました。無闇矢鱈と西洋の真似するのではなく、日本人として日本らしい美術を作っていくべきと伝えられたのです。
川村清雄が和洋折衷の画家として出発したのにはこのような背景があったのですね。
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