ラグーザ玉を
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本名清原多代。小学校入学の頃から横浜絵を描いていた画家小林栄洲に学び、永寿の号を受ける。1877年、イタリアから招かれていたヴィンチェンツォ・ラグーザに西洋の絵画技法を学び始め、1882年、彼の帰国とともにイタリアに渡る。パレルモ大学美術専攻科に入学し、サルバドーレ・ロ・フォルテに師事する。その後、ラグーザが教授を務める美術工芸学校の女子部の絵画指導をおこない、1887年にはエレオノーラと改名。ラグーザの没後もパレルモにとどまったが、1933年に帰国、東京の芝にアトリエを構える。
作家紹介
モデルから洋画家へ
ラグーザ玉(日本名:清原玉)は明治~昭和初期に洋画家として活躍した女性画家です。明治10年代ごろ、日本初の国立美術教育機関である工部美術学校が外国人芸術家を教師として招き、男性そして女性にも西洋美術を教えていましたが、女子学生の数は少なく、最終的に課程を修了できた女子学生は一人もいなかったそうです。
そのような時代に、玉を洋画の道へと導いたのはイタリア人彫刻家.ヴィンチェンツォ・ラグーザでした。工部美術学校の教師であるヴィンチェンツォと出会った玉は、彫刻のモデルを務め、やがて彼から西洋画を学ぶようになります。その後、ヴィンチェンツォ帰国に伴い玉もイタリアへと渡り、やがて二人は結婚します。
洋画家.ラグーザ玉をつくりあげたイタリアでの生活
玉は、1882年から夫に先立たれ帰国することになった1933年まで、およそ50年間をイタリア.シチリア島で過ごします。このイタリアでの経験が玉を洋画家へと育てあげたのです。まず、玉はパレルモ大学美術専攻科に入学し、油彩画を本格的に学びました。また、ヴィンチェンツォが創立した美術工芸学校では、玉は水彩画と蒔絵の教師となり、後に同校の副校長となりました。
本場の西洋絵画の技法を直接習得した玉は、ニューヨークの国際美術展やベネチア・ビエンナーレなどに作品を出品し、世界的にも高い評価を受けました。玉の作品について、彼女の没後まもなく開催された回顧展の美術評論家.大隅為三は「その芸術はもののあはれを知る人の制作であると同時に清らかさがあります」と述べており、西洋の写実的な表現方法を用いて美しく穏やかに描くことが玉の特色だといえるでしょう。
ラグーザ玉は、長らく「ラグーザの妻」として捉えられていたものの、近年は「世界的に活躍した女性アーティストの先駆者」として注目されている洋画家なのです。
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