平山郁夫を
高価買取いたします

広島県出身。1952年東京美術学校卒業。前田青邨に師事。1967年より法隆寺金堂壁画再現事業に参加。仏教的主題や、シルクロードの仏教遺跡に取材した作品が多い。「文化財赤十字構想」を提唱し、シルクロードの文化遺産保護に貢献。その活動の原点には自己の被爆体験の記憶がある。1990年東京藝術大学第六代学長に就任。1996年日本美術院理事長就任。1998年文化勲章を受章。画業の傍ら、ユネスコの活動に積極的に参加し、世界各地で公演活動を行う。2009年12月東京都内の病院にて79歳で逝去。
幼少期の被曝体験から、平和の祈りへ
平山郁夫
1.後遺症に侵されつつ、描き続けた青年期
平山郁夫は1930年、広島県瀬戸田町に生まれます。旧制広島中学(現:修道中学校・修道高等学校)3年在学時、勤労動員先の広島市内陸軍兵器補給廠にて被曝。この体験を経て「生き残った者の責任」を強く意識するようになったことが、その後の芸術活動の基礎となりました。
1947年、東京美術学校(現:東京藝術大学)に入学すると日本画科で前田青邨に師事し、早くから将来を嘱望されます。1959年には院展出品作「仏教伝来」によって注目を集め、以後シルクロードを主題とした作品を数多く発表しました。これらは単なる異国趣味ではなく、東西文明交流の舞台としてのシルクロードに、日本文化の源流を見出そうとする。姿勢が読み取れます。岩絵具による重厚な色彩と、悠久の時間を感じさせる大画面構成は、近代日本画の新しい表現領域を切り拓きました。
2.文化財保護への関与
画業と並んで特筆すべきが、文化財保護活動です。平山は1960年代後半からたびたびシルクロードの遺跡や中国を訪ね、極寒のヒマラヤ山脈から酷暑のタクラマカン砂漠に至るまでシルクロードをくまなく旅しています。「文化財赤十字」の名のもと、カンボジアのアンコール遺跡救済活動、敦煌の莫高窟の保存事業など、世界各地の仏教遺跡や古代都市の保存に尽力しました。日本国内では法隆寺金堂壁画再現事業に参加するなど、国際的な文化財保護の象徴的人物でもあります。こうした活動は、戦争によって文化や人名が奪われれることへの個人的な記憶に深く根ざしていたのです。
3.日本画史上の位置づけ
平山の作品は、日本画が戦後に直面した「伝統と現代性の両立」という課題に対する一つの解答を示したと言えるでしょう。すなわち、西洋近代美術の技法を安易に取り入れるのではなく、岩絵具や大和絵以来の日本画技法を堅持しつつ、題材の普遍性と国際性によって新たな地平を切り拓いたのです。
平山郁夫の現在の買取相場について(2025年現在)
平山郁夫先生の作品は、岩絵具で描かれた日本画の他、水彩画、版画(リトグラフや木版)、複製画があります。テーマ別では『シルクロードと仏教』、『日本の風景、寺社仏閣』、『洛中洛外図』シリーズがありますが、砂漠の流砂とラクダを描いた作品は最も評価が高いと言われています。
このラクダの図柄の日本画であれば、大きさにもよりますが500万~5000万円以上するものなどもあります。日本の寺社仏閣を描いた水彩画ですと100万~500万円ほどの査定額が一般的です。
また、日本経済新聞社や各出版社等から版画(リトグラフ・木版)も数多く発表されていますが、こちらは図柄を問わず数十万~数百万の評価が現在の相場です。作品のコンディション等でも評価額が変動する場合がありますので、現物の作品を拝見し、最終金額をご提示させていただいております。
平山郁夫の高く売れる図柄はシルクロード
平山郁夫先生の場合、最も人気が高いのは、やはりシルクロードを描いた作品です。
砂漠を旅する駱駝は、頭数が多く細密に描かれたモチーフがより高く、時間帯も昼や夕方よりも月光が輝き駱駝の影が印象的な月光砂漠の図柄が最も人気があります。
余談ですが、駱駝の歩く向きは、右側へ進む向きよりも左側に進んでいる向きの方が日本人には落ち着くと言われています。個人差もあるので一概には言えませんが、美人画も顔がどちら側を向くかで絵のバランスに微妙な安定作用が働き、多少評価が変わる場合があったりします。
他にも日本の寺社仏閣を描いたシリーズでは、法隆寺の塔や金閣寺・銀閣寺など、京都や奈良県の名所を描いた作品が人気があり、日本画や水彩画を問わず安定した高評価が期待できます。
シルクスクリーンやリトグラフ、木版など版画作品の評価について
平山郁夫先生の版画作品に関しては、シルクスクリーンやリトグラフ、木版など非常に多種発売されてきました。日経新聞社などの発行元情報、作品サイズ、画題、エディション数、制作年代により確かな評価額をお答えできます。版画作品の場合、経年変化による多少の劣化は問題ありませんが、コンディションの悪いものは査定に影響します。
これらがある場合には多少評価に影響がある場合がありますので事前にご相談下さい。
また、平山先生の版画は、新聞社関連の発行が多かったこともあり、日本全国のお客様から多くの査定・買取りをしております。
額と買取価格について
通常、額そのものは査定評価額の対象にはなりません。ただし、額の裏に作家のサインと作品名が書かれ、印が押された「共シール」が貼ってあれば、平山郁夫先生の作品を高く評価する上で大変重要な要素です。額の裏にこの「共シール」が貼られていましたら、こちらの写真も忘れずにお送りください。額縁が桐箱に収められている場合には、「共箱」といった木の板に画題や署名、印譜が押されている場合があります。この場合には、共箱の裏と表の写真をお撮りいただくようにお願いしています。