銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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相撲の稽古見学に行って参りました。お相撲さんエライ。

   

27日に荒汐部屋という中央区唯一の相撲部屋の朝稽古に縁あって招いていただいた。
荒汐部屋
http://www.arashio.net/
相撲なんてものは、そもそも場所に行ったことがない。テレビも滅多に見ない。だので、なんというか分不相応な訪問ではある。
しかし、しかし、ともかくこの桂子を見に行ったことは私にとって収穫であり、こうして人を招く事は相撲にとってもファンを増やすのに有効であると感じた。
ともかく、彼らが超人であることが体感でわかる。まず、足の太さが尋常でない。テレビや写真で見ると見慣れてしまっているが、自分の日常の地続きの場面で見ると、考えられない太さだ。太っているばかりでない。ほとんどが筋肉のようだ。しかも、体が偉く柔らかい。稽古前の準備体操では、全員「マタワリ」をするのだけど、要するにバレリーナのような、180度開脚をするのだ。ほぼ全員、お尻がペタンとついた上、上半身を前に倒すことが出来る。出来ない力士も少しいたが、本当に入門したての人も含んだ稽古である。できなくて当たり前である。にもかかわらず、ほとんどの力士が出来る。まさにただのデブと思うなよ、である。
次に、階級別に乱取り?稽古。この部屋はこないだ十両力士が一人出ただけで、全員が幕下なので、白い稽古回しがつけられる先輩力士が稽古の応援に駆けつける。稽古は本番さながら、ともかく当たるのである。まずは任意の二人があたり、勝った方が他の力士とあたる。力のある力士でも、この稽古で三番続けて勝つことは稀であった。やはり疲れてくるのだろう。
ともかく稽古場は狭い。土俵のまわりにはわずかなスペースしかなく、お客はかぶりつきというか、いつ力士がぶつかってきてもおかしくない場所に座る。これだけ小さな空間で、20人以上の大きな男が稽古をするのだ。日本ならではの状況だけど、なんというか、小さなスペースをフルに活かす心意気が日本的で、敬意を感じる。
で、序の口、序二段などの稽古を経て、十両以上の稽古。もう、下の方の階級とは、体つきも、目つきも違う。モビルスーツを着ている同士が戦うようなものである、というのはたとえとしてはやや表現が貧弱だが、まあとにかく世界が違う。
しかし、それでも厳しい。下の階級では、勝負があっさりつくが、上レベルになると、組んでいる時間が長い。もう終わるとへとへとになっていることがわかる。この部屋の十両力士、蒼国来は、最後の押し相撲稽古(と呼ぶのかどうか)で、力尽きて倒れてしまった。そこを親方や先輩がしごく。情け容赦ない、男の世界である。いささか痛ましくもある。しかし、男はこうやって育っていくのである。
私なんかヘロヘロで、格闘技の世界とは無縁であったが、なんらかの場面で、男は鍛えられる時期が必要であると思う。自分も20代はそういう意味では少し鍛えた。ま、それでもヘロヘロには違いないが。
ともかくも、恐ろしいほどの厳しさの中で、力士が育っている事がよくわかった。なにしろこれが毎日なのである。たぶん。稽古いじめの問題もあったが、こういう世界がある、ということは重要ではなかろうか。相撲に興味が出てきた、ということは間違いない。
この件は、もう少し詳しく描写できるのだけど、もう冗長なので筆を置く。

 - エクストラ

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