銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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美術買取の店の選び方

   

最近、美術品の買取店が増えているようで、時々トラブルも聞く。どういうお店の選び方をするのがいいか、少し考えてみたい。
かつて、残念だなあ、と思う事があった。昔の話だが。
私が見積もりして買取額を出したお家があった。改めての引き取りという事でいったん帰ったが、また行く前に電話したら、別の業者が来て、ウチはずっと前からおたくの家と付き合いがある、なので譲ってくれ、自分はもっと高く買う、と言ったので一部を持って行ったというのだ。
僕らの業界は競争があるとはいえ、やはり仁義もあるので、一度決まった話をこじらすような事はあまりしない。どんな人であれ、信頼関係が大事だからだ。だから変な話だな、と思って調べてみた。その業者は実はすでに倒産して、様々な人に迷惑をかけて逃げたうえ、業界から出入り禁止となった人だというのだ。
案の定というか、その人は品物をっていったまま、音沙汰なく、支払いなしで、連絡が取れなくなったという。
買取値段は安いとか高いとか色々あるだろうけども、本当に大事なのは信頼できる人か、会社か、という事だ。美術品は細かい事でいろんな事があるので、単純に条件を並べてみても、素人の人にはわからない要素も多い。
僕が思っているのは、信頼できる人物か、会社かをよく吟味して欲しいと言うことだ。就職先選ぶ時とか、結婚相手選ぶ時も、みんな同じだけど。

 - 美術の世界あれこれ

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