銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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新生根津あまりに美しい

   

新生根津美術館に初めて参りました。すみません今更。
根津美術館HP
しかしあまりに美しい美術館である。エントランスには竹がビッシリ並んでいて瀟洒。隈研吾が設計したもの。東京都下には、根津のほか、細川さんの永青文庫、三菱の静嘉堂文庫美術館、東急の五島美術館、山種など、財閥系の個人または私立美術館があるが、その多くがどちらかといえばいぶし銀的渋さのある、別の言葉で言えば、ちょっと古い館が多い。根津も日本の美術館として基幹美術館といってもよいけれど、かなり渋いイメージであったが、生まれ変わってしまった。HPもイキナリ垢抜けてしまった。

中庭にできたカフェも教養大好きな女性方にはたまらない美しさであろう。

http://twitpic.com/188fme
綺麗なところは男も無論好きなんだが、女性を連れてきてチト知的会話など愉しむのに使うのにとても◎ではないか。ただ、残念ながら私はお茶を飲もうという時間には閉まってしまった。4:30がラストオーダーらしい。残念である。

今は「胸中の山水・魂の書  山水画の名品と禅林の墨蹟」
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html
というのをやっている。国宝・重文てんこ盛りの中国・日本の山水と、書の展覧会。筆一本で織り成す世界の奥深さを堪能出来る。今年一年はこうした美術館蔵品で攻める予定だそうである。そう、なんかヨソサマから借りてきて企画しないとお客さんが入りにくいのが美術館運営の難しいところなのだと思うが、新規開館の一年は、本当によいものをお持ちなのだから、堂々そこで勝負するというのは正しい展開だと思う。

一番今回、キャッチーに勢いがよい出品は「一休」の書である。テレビの「一休」さんと実際の一休はかなりイメージが違う。本当の一休は大徳寺の高僧でありながら、かなり過激な人だったらしい。「とんち」というより「パンク」である。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c8/IkkyuNM1.JPG

どちらかといえば、忌野清志郎に近い顔つきである。あの「オーラの泉」の占い師?なら、清志郎がもし出たら「一休」の生まれ変わりと言ったかもしれない。

その作品はここには転載できないが、矯激に筆が走っていながら、絶妙にバランスがとれており、まさに室町のキヨシローである。(R&Cサクセションにも一休にも半可通にもかかわらず勝手なことを書いてスミマセン。しかし真実は一見モラルを壊す処から見える場合があり、彼らは顔意外も共通しているように思う。)

一休で脱線したが、根津美術館、やはりいくべき。表参道をブラブラ、あるいは青山墓地をブラブラいくと、何時の間にやら着く。ああそうそう、武蔵同窓の諸君、武蔵創立の根津嘉一郎さんが作った美術館ですよ。わたしゃあ在学中は何も知らなかった。この東武鉄道の父は凄い人のようですよ。例の国宝 尾形光琳「燕子花図屏風」も、春から夏くらいに公開するらしい、ぜひ行かれてください。

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