銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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私の中のデロリ展、12月9日からです。

   

師走になった。いよいよ銀座の画廊が皆で取組んでいる「XMASアートフェスタ」の週間が始まる。

この期間は、銀座の画廊街の多くの店が、同時に展覧会を開き、銀座に来れば様々なジャンルの展覧会が気軽に見られるという、そういう企画です。

2016年12月9日(金)~12月17日(土) 銀座ギャラリーズ XMASアートフェスタ

http://www.ginza-galleries.com/xmasartfes.html

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さて、そこで我々秋華洞は、「私の中の『デロリ』展」を行います。

「デロリ」とは、何か、といえば、定義はあるのかないのかわかりませんが、一種の「擬態語」でしょう。「でろっとした」というと、どんな様態を思い浮かべますか?

何か少し血なまぐさいような、ケバケバシイような、何かがむけて剥がれるような感じがしないでしょうか。

こんにち美術の文脈で「デロリ」といえば、岸田劉生が作った一種の造語ということになっているようです。グロテスクだけども、妖しい魅力を持った画風の事を指す、と考えればいいのではないでしょうか。「麗子像」で一躍画壇のトップの地位に躍り出た彼は、晩年この「デロリ」にこだわり、不気味な麗子像作品群を発表することになります。

ただ美しいだけではない、美しさの内側にあるものをも見つめて愛することに、美と愛の本質を見たのでしょうか。この「デロリ」のキーワードが私達に見せる世界は、文学や映画にも通じる「美」と「醜」の葛藤の果てにある「美」を思わせるものではないかと思います。

さて、今回の秋華洞の企画としては、この「デロリ」をテーマに、普段からデロっとした作品を描く画家からデロリとは程遠いアーティストまで、比較的若手の画家に作品を描いてもらいました。

もちろん、甲斐庄楠音はじめ、「元祖・デロリ」の作家作品も展示する予定です。

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会期:2016年12月9日(金)~17日(土) 会期中無休 場所:ぎゃらりい秋華洞

時間:10:00~18:00(平日) 11:00~18:00(日・祝) 入場無料 展示販売いたします。

http://syukado.jp/feature/2016/12/derori.html

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