銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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ホリエモン、カツマ、ひろゆきの本読みました

   

最近、ホリエモン関係の本を続けて3冊読んでしまいました。

ホリエモンは、もともとエライな、と思いながらどこか違和感、カツマさんは元気がよいけど、なんか内容が薄い本を書く、ひろゆきは聡明さを感じさせるが、つかみ所なし、という感じで、好悪感情両方だったのだけれども。



まずは『拝金』。ホリエモンの処女小説。ライブドア事件にいたる顛末やIT業界やヒルズ族、果てはフジサンケイグループの実情など、うまく有ることないこと混ぜてフィクションにしたてている。

大事な情報を伝えるのに素で伝えるのが難しいことを小説にしてしまって、どこまで嘘で本当かわからない手法で伝えるというのは、モノゴトの本質を伝えるのに有効な手法だけれども、この「小説」はそれに成功している。

私は、この本を電子書籍で買って、iPadで読んだのだが、そもそもiPadに特化していなくて(iPhone用)、字が拡大に絶えず、しかもホリエモンの文章は文学としてはやや拙くて、こりゃあ駄目だ、読まないな、と思っていたが、こないだ一晩入院する事情があって、暇が出来たので読んでみたが、うーん、なかなか面白い。

文学としての湿度は勿論プロのように十分じゃないけれど、じゅうぶんに読ませる物語には仕上げている。堀江氏が非常に露悪的にモノゴトを語っていたのも、かなり戦略的であったことも伺えて面白い。こうして虚実を混ぜて語られると、では実際ホリエモンの考え方はどうであったのか、たとえばあの小説の「指南役(オッサン)」はいたのか、など気になってきて、田原総一朗のインタビュー
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/908
を読み、さらに二つの本を買ってしまった。
 
『嫌われることを恐れない突破力!』
『そこまで言うか! 』



前者は堀江貴文と勝間和代と田原総一朗の鼎談、
後者は堀江、勝間と元2ちゃんねるの「ひろゆき」の鼎談である。

後者の本を読むと、勝間さんなんかTK80BSで始めたPC歴、ATコマンドを打ってモデムをコントロールしていた話、さらに「オタクであることを隠してきた」なんてな話が、妙にシンパシーを感じて面白い。もとパソコン大好き、かつ、パソコン好きの集団に属するのが必ずしも好きじゃなかった(うる星やつら、よりションベンライダーのほうが好きなんだもの。パソコンマニアとは、話が合わない。コドクであった)私としては、いろいろと興味深いのである。ま、そういう事に限らず、ひろゆきとホリエモンがお互いに敬意を持ってしゃべっている感じや、勝間に率直に質問をぶつける(かなりソッチョクである)なかで、ひろゆきと堀江が素直に感心するあたり、スリリングで楽しい。

この3人、考え方がアチコチで違うが、ハッキリお互いに意見を述べて譲らないが、丁寧にお互いの意見を「観察」しているところが好感が持てる。で、案外彼らが「近い」ことを発見する長い時間が、読者とも「近い」ところを発見できる時間ともなっていて、なかなかに楽しい本となっている。

いくつか話の山場があるかと思うけれど、そのうちいくつかあげるとすれば
「お金」とは何か
「幸せ」とは何か
「リスク」とは何か
「情報」とは何か
「家族」をどう考えるか
などだろうか。

よろしければ読んでみては如何だろうか。

 - 読書

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