銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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中国絵画・大陸との交流

      2016/07/09

最近、なぜか中国大陸とかつて交流のあった方の問い合わせが多い。
つい先日もご自宅へうかがった。
中国で日本のものを手に入れた、みたいな話はほとんど残念ながら贋物なのだけれど、
本当によいおつきあいのあった方は、いまの中国の人たちがほしがる様なものをお持ちの方もいる。
ただ、最近は中国の人は極めて慎重(バブルが調整段階のようだ)なので、売り手のお客さまも私たちじしんも、山っ気を持つと、あまりよくないことも多そうだ。
ともあれ、呉昌碩や斉白石など、人気銘柄についても、ボチボチ問い合わせがあり、嬉しいことです。彼らは、存命中から人気があったせいか、やはり作り物や複製が多いけれども、なかにはいいものがある。やはり学者肌の方ないし学者の方は、きちんとしたものをお持ちの傾向が多いように思う。
そういえば、こないだ名古屋市長が「南京」の事件はそんな、中国で言われているような事ではなかったのではないか、と発言して中国で大騒ぎになった。彼がいいたいのは、「大陸で、かつて日本人と中国人は案外、仲良くしていたので、中国当局が歴史として教えているようなひどいことはなかったようですね。」と、まあ建設的な表現をしたかったのだと思うが、残念ながら、中国のマスコミは好意的に受け取ることはまずない。なにしろ、歴史的問題で日本に有利な言い方を書けば、国賊扱いだ。
日本人みたいに「水に流す」という文化はたぶん、ないのだろう。
まあ、中国の方とは取引が多いけど、歴史問題は、しゃべったことないなあ。地雷踏むのがイヤだものね。だから、ここにもこんな事書かない方がいいのかもね。
でも、昔も今も、たぶん中国と日本の民衆、商売人、政治家は、それなりに仲良くやってきたのだと思う。それこそ1000年単位でね。
残念ながら、「日本書紀」のごとく、今の中国の立国の物語として、「敵国」日本は必要な存在なので、実態がどうあれ、私たちは歴史的に悪者にならなくてはいけないのだ。この点、敗戦したとはいえ、「立国」とは関係ないアメリカと我が国との関係は違う。むしろ、今のアメリカは、日本の近代史にとってはいつの間にか「恩人」という位置付けに変わってしまった。これはマッカーサーの勝利なのだろう。日本は恐ろしい金額をODAなどで中国に送ったらしいけれど、何しろ「恩人」ではなく、恨みの対象としてまだまだ見られているようだ。
でも、そんなことよりも、極力ひとりひとりと交流する仲で、少しでも信頼関係を作っていけるといいよねえ。いつか中国大陸でも華僑でも、本当の友達ができると、ボクにとっても中国の位置付けが変わるなあ。今のところは商売で。あ、そうだ、あとは中華料理と映画は大好き。それと今度の台北アートフェアは(大陸じゃないけど)出るつもり。申込みまだだけど。
本当のところ、人間が理解し合うのは大変なこと。同じ民族、つまり日本人同士だって、簡単なわけじゃ、ないよね。まして他の国に行くと、あるいは地方に行くと、実際問題として、地元以外の事を知らない人が大半というのが実態じゃないかな。だから、他の国に対する偏見なんて、簡単にはぬぐえない。ま、大阪が東京キライ、みたいな話とか、長州と会津にいまなお確執がある?なんていう話もあるぐらいで。でもま、前を向いていきましょう。
ちなみに、斉白石の「買取」ページは
で、中国美術骨董買取サイトは
である。

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