銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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ブログを読んでいただいている方に会いました

      2016/07/08

今日は、浮世絵商協同組合で主催する、一般参加あり、の浮世絵オークションがあります。本来、ワタクシも宣伝してお客様を呼ぶべきなのですが、今回はちょっと力を入れられませんでした。ご興味のある方は来年お招きしますので、お知らせください。
浮世絵オークションホームページ
私どもへの連絡は、

info@syukado.jp
秋華洞・お問い合わせフォーム
03?3569?3620(月曜から土曜の10?18。日曜祝日は秘書センターで対応しています。)

で、昨日その下見があったのですが、なんとこのブログを読んでいただいている、というお客様に声をかけていただきました。「ブローカー」の投稿を見ていただいた、ということで、いつも見ていただいているのかも。。ありがとうございます!

今まで「ブローカーさん」とよく使っていたので、失礼だったのかしら、とおっしゃいました。イエ、失礼とは思いません。言葉はニュアンスですものね。英語でブローカーと、使うのは、全然フツウで、軽蔑的要素は入らないそうです。ただ、broker=仲介業者、という職業に対する警戒心とか、そういう要素はenglishでもあるかもしれませんね。army broker というと、陸軍御用商人(ALCより)、と訳すそうです。

今月の月刊現代に、九州国立博物館と古美術商の癒着を示唆・批判する記事が載っていました。そこでYさん、という誰でも知っている尊敬するべき美術商がそれとわかる記述で載っていましたが、Yさんだってダレだって、商売人はBrokerであることには違いないですね。美術品というのは値段があるもので、その周辺でみな一生懸命動いて仕事をしています。金額に携わるモノというのは、学者さんや作家さんに比べて、汚れ役であり、こういう記事のように、さも悪いように書かれがちですね。でも、僕は本当は一番カッコイイと思ってます。売買、という一番メンドクサイ事を、ひきうけて、やっているからです。ま、カッコイイ、というのは、自分がやっているから、の、我田引水で、学者でもやっていれば、自分が一番カッコイイ、と思おうとするような気もしますけど。

昨日、知り合いの若い美術商に出産祝いの品を贈ったら、お礼の電話がありました。彼なんかある交換会で競り手(いわゆるオークショナー)をやっているのだけど、かっこいいんだな、まさに。モノを見る目があって、頭が切れて、人情があって、面倒見がよい。そういう人物が何人もいるところが、この骨董業界、美術業界のいいところですね。むかしカタギといいますか、江戸時代の人情を保存している業界かもしれない。

そういえば、昨日本屋で杉浦日向子さん特集のユリイカを立ち読みしました。幼少時代、少女時代、オトナになってからの写真。まったくの他人なのに、ちょっと涙が出そうになりました。こんな素敵な女性が、40代で死ななければいけないなんて。杉浦さん、て知っていますか?江戸時代からやってきた、としか思えない、江戸時代の専門家。北斎を主人公にした漫画など、単なるエドロマン、ではなくて人情の機微に繊細に入った漫画で、ぼくは、まさに、エドロマン、程度かと食わず嫌いしていたので、最近読んでビックリしました。浮世絵のコレクターさんも、美術商さんも、必読の漫画群ではないでしょうか。

杉浦さん、と、相米慎二、という、失ってはいけない、本当の日本人を、最近、私たちは失ってしまいました。彼らが残していってくれたものを、引き継ぎ、生かしていきたい。

ところで、ブログを見てくれている人を調べてみたら、一日多くて50人以上、ブログ開設以来1万人以上のヒトが見てくれているようです。少ないと言えば少ないが、多いと言えば多い。がんばんないと。

 - 日常

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