銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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池田20世紀美術館

   

池田20世紀美術館、というところに、先日行って参りました。


というのも、今週頭、私は夏休みをいただいて伊豆に出かけたのですが、ホテルのごく近くに美術館がある、というので、父(自知郎会長)、母、妻、小学生の娘二人を連れて参りました。


ご免なさい、はっきりいって全く期待しておりませんでした。観光地にある美術館、という認識しかなかったので、「美術館嫌い」の父はもとより、まあ時間つぶし程度に考えておりました。


けれど!なめちゃあいけません。この美術館、20世紀の主に西欧絵画の有名どころ(ピカソマチスシャガール・・)を集めているのですが、作品の選び方にセンスを感じさせますし、日本では全く知られていないヌードの名手、「田中」(下の名前失念)の絵など素晴らしい!これは何故か母がこの美術館で「発見」しました。


で、これまた思わぬ出会い。カタログ前号でインタビューさせていただいた山下裕二先生お勧めというか親友の「大岩オスカール幸男」の個展が開かれていました。ハッキリ申し上げて私は同世代以下の作家の作品で感動したことは無かったのですが、違った!不意打ちを食らいました。どうも今の人の作品は自分の言いたいこともないままに技術と構図の自己撞着に陥っているひとが多いように思って興味を持っていなかったのですが、(単に勉強不足、行動不足だろうとも思いますが、)この人、エライ!今、自分たちの生きている世界を、今生きている自分自身の視線とはなんだろう、という所から掘り起こして、等身大だが、その等身が小さくない、絵を描いているひとだと思いました。


でしかも同年齢。会田誠氏も私と同じ1965年10月4日生まれのようですが、同年齢の人に敬意を持ったのであります。

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