銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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日本橋・京橋 美術骨董まつり

   

この土曜日、会社はスタッフにまかせて、「日本橋・京橋 美術骨董まつり」を観てきました。

この骨董まつり、ちょっと手元にデータがないのですが、5年目くらいになるのでしょうか、今年はウェブサイトもなく、
いささか取り組みに不安がある開催ですが、ともかくもこのあたりの画廊さんを巡る機会(平日はのんびりウロウロする時間をとりにくいので)
として、とてもよいので、スタッフの近藤に誘われて、参りました。

今年の春の「美術骨董祭り」、4月14日(金曜)から16日(日曜)までで終わってしまっているので、この投稿を御覧になった方、
次に行く機会はになってしまうかもしれません・・が、ご参考に。

ともかくも、この機会は、勇気を持って入りやすい!のが最大のメリットでしょう。美術・
骨董屋はちょっと興味があっても敷居が高く入りにくい、というのがお客様にとっての「壁」ですが、これは美術店にとっても「壁」
になっています。扉を開ければ案外人情味のある店主が待っていることも多いので、専門知識があろうとなかろうと、お金が有ろうとなかろうと、
ちょっと尋ねてみることをお勧めします。何事も最初の一歩から。とくに「祭り」の期間は、「一見さん(初めての人)」
が来ることをお店側も予期していますから、ますます入りやすいのではと思います。

で、私が拝見したところ。。。


最初は中国古陶磁の極めて有名な老舗「壷中居」。たまたま店員にスタッフの古くからの知り合いがいたこともあって、なごやかにお話しすることが出来ました。古備前の壷の形がいびつなモノなど、素敵なものを拝見しました。この世界もハマると奥が深そうな世界です。

つづいて「飯田好日堂」さん。名前は昔からよく知っているお店ですが、お尋ねするのは初めて。昔ながらの茶道具屋さんの味のある応接間、アットホームな接客で、こちらは敷居の高い店をイメージしていたのが、案外でした。何でも金曜日はご飯も食べられない盛況だったとか。「おまつり」の効用はあった模様。

葵堂清水さんはガンダーラ系のお店。こちらもざっくばらんな雰囲気。

松森美術さんは茶道具のお店。なかにはいると、プーンとお香のいい香りがいたします。こちらは茶碗、茶杓、茶入れプラス当然掛け物もあり。店の方に聞くと、この「祭り」を積極的にすすめている立場だとか。ガレージでも「ガレージセール」をやっていらっしゃいました。お客様も次々と来店。やっぱり力を入れているところに人は集まる。

戸村美術は2ヶ月ほど前に銀座から移ってきた移転組。オールアバウトにも顔の出ている社長の戸村さんはとっても明るい、謙虚な方。地下に入るお店なのですが、とっても明るい店内は、京橋、というよりも、NYのギャラリーに着たような雰囲気で、とても洒落ていました。見た目油絵ばっかり?と思いきや、すべて日本画だとか。日本画の画材を使うことにこだわる現存作家を今特集しているそうです。この個性派画廊は一見の価値ありですよ。

茶道具の池内美術さんのお二階は茶室になっていて、お茶をごちそうになりました。ななんと、国宝もある京都の名工、野々村仁清のお茶碗で飲ませて頂きました。あーコワイ。だけど使ってこその茶碗。何千万する黒楽、「のんこう」だろうがなんだろうが、入手したらやはり一度は使ってみるべきなのかもしれませんね。飲むのはいいけど水やで洗うのがコワそうだけど。弁舌さわやかな店員さん、とても丁寧に説明してくれました。私もこうなりたいもの。修行が足りない。

最後に、「加島美術」さんに行きました。加島社長さんは、もと私の父と一緒に働いていた方。当然日本画、書の軸物に強い画商さんです。将来のことや、美術商の生き方、若い世代と年配の方の考え方の違いなど、ゆっくりお話ししました。この加島さんの存在は案外知らない人も多いのではないでしょうか。よくもののわかる方です。奥さんもとても素敵な人。京橋エリアを散策の際は、こちらも尋ねてみて下さいね。

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