銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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贋作版画具体的な対応について

   

このたび2月明らかになった贋作版画10点について、取りうる対応について、ここで解説してみたいと思います。

なお、この文章は私の文責によるもので、臨時偽作版画調査委員会からの公式発表ではありません。

正式なお問い合わせは東京美術倶楽部内、臨時偽作版画調査委員会にご連絡下さい。

Q:作品の鑑定はいつから始まりますか

A:おそらく3月頃から可能かと思います。

Q:鑑定はどこがやるのですが

平山郁夫「流沙朝陽」1987 44X60cm 250Ed.(余白にエディション)

A:東美鑑定評価機構が行いますが、今回の版画鑑定に関しては、一般のお客様からの申込みはご遠慮いただいております。画廊、美術商、デパートなどにご相談下さい。

Q:鑑定費用はかかりますか。

A:まだ発表されておりません。おそらく2-3万程度になると思います。ただし、お客様に請求するか、否かは受け付けた業者さん、小売店の対応次第だと思いますので、個別にお問い合わせ下さい。

Q:真贋で贋物と判断されると価値はどうなるのですか。

A:価値は原則としてないものとなりますが、百貨店等では売った値段での買い戻しを原則としております。お買い求めの百貨店・小売店にご相談下さい。

Q:具体的にどこに相談したら良いのでしょう。

A:原則としてお買い求めになったお店でご相談下さい。

Q:買った店がわからないのですが

A:信頼するべき美術商・画廊にご相談下さい。私どもでも受け付けております。

Q:今回の10作品以外のものについてはどうなりますか。

A:今回、鑑定の対応をするのは、事件性があると判断された10作品のみが対象となっております。この事件において、別の作品について情報が確認されたものについては、順次鑑定を行う体制を整える予定です。

Q:今回の事件と何の関係もない版画の鑑定はできるのですか。

A:一般に、版画の鑑定機関はありません。個別の美術商にご相談下さい。私どもでも受け付けております。

Q:今後、版画を購入する場合はどのように気をつけたら良いでしょう。

A:版画は、版画を作成した会社から卸して売る場合の一時流通ものは、まず問題ありません。

 二次流通(中古品)のものについては、小売店・百貨店の信用に十分お気をつけ下さい。
 百貨店では、真贋について責任を取るということが大原則なので、もし贋作であることが判明した場合は、買い戻しをする体制が一般的です。小売店については、そのお店ごとの対応です。

 今後版画の信用についての対応策は、原則としてはそれぞれの版画版元、小売店の考え方しだいですが、一方で業界として対応策を検討するべき時期だと個人的には考えております。

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