秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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海っていいですね

   

例年より早く梅雨が明けてギラギラした夏がやってまいりました。
写真はお昼過ぎの銀座ですが、本当に暑いです。

こんな青空をみると海に行きたくなってしまいます!


というわけで本日は海の作品をご紹介していきます。

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三代豊国『光氏磯遊び 其三』

三代豊国は「光氏磯遊び」のシリーズを多く残していますが、本作は三作目になります。
光氏は伊勢に足を運び、上半身をあらわに闊達に海へ飛び込む海女の姿を楽しんでいます。
本シリーズは、日本の浮世絵に影響を受けたゴッホが所有していたことでも知られ、西洋ではビーナス以外の裸婦を描くことがまだタブーとされていたこの時代において非常に衝撃的であったと思われます。
また地上の情景と海中の情景を同画面に描くといった手法も西洋では考えられないものでした。



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歌川広重『富士三十六景 房州保田ノ海岸』

保田は現在の千葉県鋸南町に位置し、浦賀水道に臨む保田湊は、幕府の年貢米を津出しする安房国の拠点であり、漁業も盛んでした。

本図は、保田湊がある本郷村と北隣の元名村付近の海岸から富士を望んだ様子で、右端の岬は、鋸山の麓にある明鐘岬である。逆巻く荒波を間近に見ながら、海沿いの道を崖下まで辿っていく。
層状の岩肌には洋風画の影響も感じられ、執拗なまでの岩皴と波の克明な描写に対し、沖には紫雲たなびく穏やかな情景が広がっています。


海っていいですね。

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 - 作品紹介, 浮世絵