銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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ぶれない、ということについて、と日本の景気、サンプロ

   

政治の話を書きます。直接美術とは関係ないので、興味のない人は読み飛ばしてください。でも、日本の景気は全ての人に関係あるし、もちろん美術にも関係あるので、興味をもたずにはいられないのです。

最近、麻生さんは「ブレている」とマスコミに言わせないように、という指示を出しているそうだ。本当だとしたら、やはりだめな人だ。

「ブレている」ように「見える」「見えない」は本質的なことではない。雨が降れば傘を差し、晴れならばコートを脱ぐ。今日は傘を差す、と指示したから、雨がやんでもさしたまま、という事で意地をはっても意味がない。朝令暮改に見えてもよいのだ。文春が新潮が朝日が日経がテレビがなんと言おうが良いではないか。本当の自信、あるいは理念がぶれていなければ、わかる人にはわかるのだ。そういう理念はないのだとしたら、意地を張る必要はない。そんな意地に振り回される一億二千万人の身にもなってくれ。

最初に、宰相としての準備がない人が総理になる、というこの国の仕組みにも不幸がある。十分な準備期間と議論の試練が用意されている、アメリカ大統領制度がうらやましいが、まあこれもブッシュが世界を無自覚に食い荒らす8年をもたらしたのだから、どちらがよいと決めつけることは出来ないのだろうけど。

ところで、録画してあったサンデープロジェクトを見た。渡辺喜美と私の好きな江田けんじ対談、竹中・金子対談、伊藤忠の丹羽さんのインタビューと続いた。

渡辺議員はちょっと格好つけすぎ、という感じもなくはないし、週刊誌に出ているように、いろいろ矛盾もあるだろうが、今の時期に自民党を割る、という行動力は買うべきじゃないか。というか、自民党の議員は単に生き残り、という身も蓋もない論理に基づいても、じっとしているヤツは死ぬだけだろう。

でもそんな週刊誌的・新聞的な政局はどうでもよい。要は国家のグランドデザインを描ける政治体制が組めるかどうかだけだ。

その意味で、竹中・金子対談は面白かった。新潮には厚顔無恥な竹中、とボロクソに書いていたし、竹中は金子氏がしゃべるのを遮るアンフェアなしゃべり方(政治家になってああいう強引さが身についたのか)も気になったが、ああして議論をすることで、問題点がなんなのか考えることが出来る。金子氏にも竹中氏にも感謝である。

丹羽さんがそのあと登場、本当は全否定とか全肯定でない、議論が必要だ、といったのはその通りで、会社の経営の現場では、相手の論破が不要。問題点の解決が問題なのだ。マスコミやテレビでは、誰が悪いとかいいとか、バカとかかしこいとか「評価」が問題になってしまうが、本当は「いかに理想を描いて」「いかになすべきか」を論じることなのだ。


で、金子勝さんは、オバマを評価しているようで、「グリーンニューディール」を日本でもやるべきだ、国家観をハッキリしろ、と言っていたが、同感。竹中さんの自己弁護?も、識者によると、論理のすり替えなどあるのかしれないが、好感。ともかくこの位の熱さで、議論をもっとやってほしい。竹中さんの言った官製不況、というのは真実と思う。この問題ももっと掘り下げるべき。

丹羽さんのことでは、90%の経営者が悲観的だが、楽観的な見方を紹介してくれた。そのひとつは人口が増え続ける中国をマーケットと見なせば、なんら悲観的になる必要は、ない、ということ。

悲観的な見方に百歩譲っても、永遠に続く不景気はない、ということは常に念頭に置くべきだ。

(そいうえば、今日読んだ日経マネーで、有名なお医者さんが、一時的な遺産相続の限定非課税措置、すなわちお金以外の資産には税金をかけない、という立法を提案していた。不動産、美術品をバンバン富裕層に買ってもらって、お金が動くようにするという。賛成!)

ということで、今回のサンプロは眠たくならずに見られた、久しぶりのサンプロであった。

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