秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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7000枚売れたベストセラー

   

先週の週末、東京、原宿の太田記念美術館に行ってきました。

ご存じの方も多いと思いますが、
こちらは浮世絵専門の美術館で、いつも収蔵品を中心に
専門美術館ならではの面白い展覧会を開催しています。
現在開催中は「幕末の見立絵ー三代豊国・広重・国芳
浮世絵の場合の見立は、洋服を見立てるように似合う(ふさわしい)題材を組み合わせること。
展示作品を例に取りますと、
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なぜ、宮宿(今の名古屋市)と平景清が一緒に描かれているかというと、影清は宮宿にある熱田神宮に所縁があるからと考えられます。
三代豊国の「役者見立五十三駅」は目録を含め全140枚からなる本作には、東海道の宿場町の名にちなんだ歌舞伎の登場人物たちが、役者の似顔で描かれている。背景にあるのは広重の『東海道五拾三次』であり、当時の人々は地名と人物の見立を解いて楽しんだと考えられます。
さらの同じシリーズからこちらの岡崎を描いた作品は7000枚を摺る、大ヒット商品だったそうです。
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描かれているのは「伊賀越道中双六」など歌舞伎の「伊賀越もの」に登場する唐木政右衛門。
(実際には荒木又右衛門。当時はそのままの名前では歌舞伎に出来なかった。)

なぜ、この作品がこんなに売れたのでしょうか?
ちょうどこの浮世絵が出される数ヶ月前、ここに描かれている人気役者、四代目中村歌右衛門がなくなっており、名優を偲んだファン達がこぞって買い求めたと思われます。
ちなみに「岡崎」はもう一枚描かれています。
政右衛門の女房であるお谷で、2枚で風景もつながっています。
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役者見立五十三駅のシリーズは他にも在庫がございますので、
ご興味のある方、こちらからどうぞ。

 - 展覧会, 浮世絵