秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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桜の強さ

   

東京では桜の満開はずいぶん前に過ぎてしまいましたが、

まだまだ、桜前線は北上中。
やはり全般的に今年はどこでも開花が遅いようです。
今日は桜の作家による桜の絵のご紹介です。
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「伊勢桜図」 廣瀬花隠  200.000円
シンプルに桜だけを描いた作品。
皆さんは「桜」にどんなイメージをお持ちですか?
私は、「強さ」です。
桜の染物を作るとき、桜の花びらではなく、
樹の皮を使う。
それもいつ採ったものでも良いのではなく、
桜が咲く寸前の樹の皮を使うと
あのあでやかなピンク色に染まると聞いたことがあります。
そのエピソードを耳にしてから
毎年春には
厳しい冬を越え、樹の全体のエネルギーを使いながら
一気にあの美しい花を咲かせる姿を想像して、
桜に「強さ」を感じているのです。

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