銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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幸せと勝間さんとホリエモン

   

ツイッターのフォロワーの多さが週刊ダイアモンドに出ていたが、ホリエモンが圧倒的である。人気がある。検察とマスコミによって突き落とされた社会的信用も、もう十分に回復したといえるであろう。

香山リカとの対談や、ネット上の厳しい意見にさらされている勝間和代さんも、やはりその発言はまだ注目されていると思う。著書の数があまりに多すぎて、文章に十分な品格を備えるための時間が与えられていないように感じるけれども。

とくにホリエモンについては、やはり情報の咀嚼のスピードと、常識を前提とせずに非常識の常識で自分で考えて発言する言論は面白く、ブログなどもウォッチする魅力十分である。著書にブンガクテキ密度は感じないが、やはり読んでみよう、と思わせるエネルギーがある。

一方で、いささかずっと気になっているのは、「家族」というものに対するある種の無関心あるいは冷血を感じさせる二人の経歴である。勝間さんは二度の離婚を経ているが、家庭というもっとも微妙な人間関係を調整しなければならない場面での「考え方」が欠けているように見えるし、ホリエモンも実子に対する態度はかなり突き放した見方をしているようで、そもそも「結婚」に興味がないように見える。「常識」にとらわれない彼の真骨頂あるいは象徴のようにも思えるが、時々人の気持ちを逆なでするような態度や、公式の席でも、まずスーツなど着てこない「非常識」に通じて、一貫していてるのかもしれない。

私は二人の意見や行動はスゴク面白く見ているけれども、「人」としての幸せ、ひいては「社会」の幸せ、とは何か、を論じたり考えたりする上では、やはり彼らの話は話半分に聞かなければいけない部分を感じる。能力が高く、きわめて判断スピードが速いからといって、その人の行動が周囲や社会を幸福にするとは限らない。人間には情、あるいは、愛情が必要だからだ。その愛情不足、というものが時には人を経済的成功に導くこともあるから人生はわからないし面白いのだが、実際の人生に必要なのは「モノ」的成功と「ココロ」の成功のバランスである。二人はいささかそのバランスが欠けているように感じるのである。逆に言うと、成功の象徴でもある二人が、家庭に問題を抱えていることに、現代日本の問題点が象徴されているような気もする、というのが近頃私が気になっているテーマである。

 - 世間の出来事

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