銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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諸君!という雑紙が消えるが

   

保守とは何か、というようなテーマで、 櫻井よしこさんと、櫻田 淳という人、そして宮崎哲弥が鼎談していて面白かった。

http://www.bunshun.co.jp/mag/shokun/
麻生太郎よ、保守の気骨を見せてくれ

保守論壇がどうなっているか、というのはどうでもよい話かもしれないが、ものごとの本質を捕らえるにはどうしたらよいのか、をよく考える契機としてよいと思う。

宮崎という人は宮台と似てオタッキーな変な人かな、と数年前まで思っていたが、非常にフェアで信頼するべき論客であるということが最近よくわかってきた。とくに週刊文春の彼のコラムは筋が通っていてしかもユーモアがあって、すがすがしい。で、彼がからんでいることはとりあえず目を通しておいて損はないと思う。

櫻井さんは、NTVの今日の出来事をやっていたときは、なんだか厳かなしゃべり方をする変わった人だな、くらいにしか思っていなかったが、こんなに凄い論客であることは当時想像もつかなかった。台湾出身の金ミレイさんとのお寿司やでの対話?がyoutubeに載っているが、ほんとうにお二人とも爽やかな言論人で人間としてほれぼれする。実際にお会いして下手なことを言ったらコテンパンにやられそうですけど。

日本と日本人が誇りを持って生き延びるにはどうしたらよいのか、ということが「保守」の大事なことで、たぶん日本の場合「サヨク」というのは、「世界の理想」があって、そこに準拠するには、日本はどうしたらよいか、という考え方なんだと思う。「世界の理想」が、かつてはマルクス的な理想論だったのだろうけど、ソ連の崩壊や北朝鮮への幻滅と共に、今は曖昧になって、「世界平和」とか「平等」みたいな価値観が一番大事でしょ、というちょっとダウンサイジングした「理想」を掲げている「感じ」になっている。実際何を目指しているのか、よくわからないけども。

僕の知人でも、何となしにエリートっぽい人は微妙にサヨク気味で、クリーンが正しい、的な考え方(東大的?故筑紫さん的?)のような気がするが、世の辛酸をなめている人ほど、保守に近いのかな。僕は人間は理想通りいかないものだと思うので、「クリーン」な考え方はよくないと思う。先生とか中村雅俊の息子ほどぐれる、の法則と同じ(エントロピー増大の法則)で、少々の不良の方が人情がよくわかって、まわりがほぐれてよい、という事もある。

「クリーン」な民主党が小沢さんをかついでいるのもまさにその法則で、「クリーン」のひ弱さが政治には決定的な弱さになることを皆知っていて(本能的に)、彼を党首に招いたにもかかわらず、結局正義の味方の検察にやられれちゃった形である。僕はこの20年くらいの思想なきマスコミの台頭、クリーン化の合唱で、政治はズタズタになってしまったと感じているけれども、代案・妙案があるわけでないので、ちょっとムセキニンかもしれない。

ただ、その小沢さん、立花隆に週刊文春でボロクソに書かれている。愛想なし。説明能力なし。説得力なし。人の魂をつかむ情念パワーなし。


ここまでハッキリ書かれると、かえって爽快である。確かに小沢さんは総理は難しかろうと思う。事ここにいたって、総理やるのは無理なんだから、やめるべきだという論調。立花さんも時々誤報的な事を思い込みで書く人のようなので、いつも真に受けてはいけないけども。まあもっともといえる論理を展開している。

ただ、ここで?原とかいう、検察特捜の人もよく最近指摘しているように、検察が「政治」よりも「上」であるかのように民主主義に手を突っ込むのはおかしい、ということはとても重要じゃないかと思う。秘書逮捕で揺れた「民意」に基づいて小沢さんが辞める、ということになると、罪があろうがなかろうが、検察が「クロ」と決めたら、真実はどうあれ、社会的に抹殺される、という事が衆目の前で演出されれば、これはある意味ビッグブラザーが支配する暗黒社会である、という事を意味して、社会の萎縮効果が甚だしいんじゃないか。かえってモラルが低下するのではないか。その原則を考えると、もうこうなったら民主党もろとも戦ってくれる方が世のためには正しい、と思うのだけど、どうなのでしょうか。

あれ、脱線した。ともかく櫻井さんと宮崎さんは数少ない信頼できる言論人だ、という事がちょっと言いたかっただけ。それと何でもかんでも「世論調査」をタテに議論を展開するのは良くない、と思います。はい。

 - 世間の出来事

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