秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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ブルームーン

   

今日、8月31日は満月。

ひと月に2回満月があることは珍しく、
「ブルームーン」と呼ぶそうです。
英語でも”once in a blue moon” でめったにないという
熟語もありますね。
(余談ですが、私は「ブルームーン」というと、
ブルース・ウィリスの出世作、「こちらブルームーン探偵社」を思い出すんですが・・・。)
さて、「月」をテーマにした浮世絵で
代表的なものはやっぱり月岡芳年の「月百姿」。
厳島神社の改修のエピソードでしたので、
その「厳島」がテーマの一枚をご紹介します。
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月百姿 いつくしまの月」 月岡芳年 
平清盛が、建礼門院に皇子の生誕を願い、厳島に月詣でに行く途中のシーンです。
舟を室の津(現在の兵庫県)にとめると遊女たちが舟をこぎ寄せてきます。
その中の一人が清盛の舟の下で
「はなうるし塗る人もなき我身かな むろありとてもなににかはせん」と歌ったところ、
それを耳にした清盛が、この遊女を召し上げたという話が題材になっています。
鳥居の柱が大胆に描かれており、この場面が「厳島」であることがわかります。
厳島神社のシンボルでもあるこの「大鳥居」ですが、
厳島神社のサイトを見てみると
深く埋められているわけではなく、
「自分の重み」で立っているそうです。
まさに先人の知恵の賜物ですね・・・。

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