秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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小村雪岱

   

今日の東京はすごい雪ですね。

今は少し小ぶりになったようですが、
秋華洞(ビルの7階です)から銀座をみると、
ビルや道路に雪が降り積もっているのが見えます。
さて、今日は『雪』つながりというわけではないのですが、
小村雪岱の作品をご紹介します。
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 「灯影」 小村雪岱 231.000円
この作品は雪岱晩年の昭和15年高見澤版画から発行されたものです。
小村雪岱といえば、泉鏡花の作品の装幀を数多くて手がけたこと、
また、資生堂の意匠部に席をおいていたことでも知られます。
その経験から生まれる、作品の「デザイン性」に惹かれる方も多いようです。
この版画で効果的なのが、女性が身に着けている半襟の赤。
この赤が作品をギュッと引き締め、見る人の視線をひきつけているように感じます。
ほんの小さい面積なのですが。
さらに鶯色の着物との対比が
静かな絵の中で鮮やかに浮き上がっています。
この組み合わせは着物の世界ならではのセンスではないでしょうか。
日本の美が凝縮された作品です。


 - おんらいんぎゃらりい, 作品紹介