秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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伊達の十役

   

先日、新橋演舞場で

歌舞伎「
慙紅葉汗顔見勢 伊達の十役(はじもみじあせのかおみせ だてのじゅうやく) 」を
観てきました。

13年前に三代目市川猿之助さんで初めて観て、
あまりの面白さに、もう一度観たい!と思っていた演目です。
今回は小学生の子供も一緒。
伊達の十役は文字通り、一人が十役を早替わりで演じ分ける
娯楽エンターテイメントのお芝居です。
しかも宙乗りまで!
最初に主役の市川海老蔵さんが
「口上」で「慙紅葉汗顔見勢 伊達の十役(はじもみじあせのかおみせ だてのじゅうやく) 」は
恥も外聞もなく、大汗をかき、顔をもみじのように真っ赤にして十の役を演じるという
意味であると説明がありました。
前半は早替わりに次ぐ早替わり。
ただ、登場人物が多く場面展開も早いので
子供はストーリーについていけるかな?
と思いましたが、
オペラグラス片手に大興奮。
十役の中でも迫力あったなーと思ったのが
浮世絵でもよく題材になる「仁木弾正」。
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和漢百物語 仁木弾正直則」 月岡芳年 120.000円
仁木弾正は妖術使って、左下にも描かれているねずみに化けます。
いわゆる、悪のヒーローですね。
ねずみがくわえている密書がこのお話のキーになっていて・・・。
さらにこの小ねずみが舞台の大詰めでは舞台を覆うような
巨大なねずみに!
歌舞伎はエンターテイメントだ!ということを
強く感じた一日でした。

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