秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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藤の季節

   

ぎゃらりい秋華洞サイトではこのところ特集で様々な作品をご紹介しています。

本日公開された特集は「巡る!夏を待つ花園

藤や牡丹、芍薬など今の季節の花々を描いた作品をご紹介しています。

コロナウィルスの影響で外出がままならない現在、こちらの作品をお楽しみいただけたらと思います。

さて、今日のスタッフブログでは今の季節の花から「藤」の花の作品をご紹介します。

しかも同じ藤の名所をして有名な「亀戸天神社」に咲く藤を描いた作品だけを集めてみました。

広重 「名所江戸百景 亀戸天神境内

手前の藤のクローズアップと太鼓橋が中央に描かれる広重らしい構図。

こちらは後摺り。初摺のものは太鼓橋の下から見える空がベロ藍で摺られています。

小林清親 「亀井戸藤」

吉田博 「東京拾二題 亀井戸

吉田博の作品は広重の作品と構図は似ていますが、藤の花の質感、

水面に映る太鼓橋の表現がいかにも吉田博らしいモダンで深みのあるものになっています。

小泉癸巳男 「昭和大東京百図絵 五月の亀戸天神」

小泉癸巳男は大正から昭和にかけて活躍した版画家。

こちらは小泉の代表作、昭和東京百図絵の中の一枚です。

人々の服装に当時の風俗が忍ばれる作品です。藤棚の前ではやはり記念写真・・ですよね。

今年は亀戸天神社では諸行事を自粛してご参拝のみだそうです。

来年は皆が気軽に外出でき、美しい藤の花を楽しめるようになることを願ってやみません。

 

 

 

 

 

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