秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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心配事は尽きませんが・・・

   

今日はすごくポカポカ暖かい一日ですね。

余震の心配や原発に加え、今度は水道水や野菜の汚染まで!
テレビやインターネットを見るたび、心配で仕方ありません。
それでも先週と比べると、
査定のお客様からのお問い合わせが
ずいぶん増えてきて、ホッとしています。
さて、本日ご紹介する浮世絵は
作者不明 『徳用奥羽屋』
大政奉還後の政局を諷刺した作です。
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徳用の「用」字は、横線がわざと細く書かれており、「徳川」という言葉を暗に意味しています。
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本作の主人公である蝋燭商の奥羽屋は旧幕派の多い東北諸藩。
番頭には蝋燭の名産地である会津、後見の米屋に仙台、職人に二本松や米沢等の諸藩が振り当てられています。
店先で値段を掛け合うのは新政府側の中心である長州(着物に「モウリ」の字)。
しかし交渉はうまくいかないようで、新政府側と旧幕府側の攻防が長引く様子を表しているようです。
戊辰戦争の戦場が奥羽地方(東北)に移った前後に描かれた一作です。
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東北地方の皆様が一日も早く元通りの生活を送れることを願っております。

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