金子鷗亭を
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北海道生まれ、書家。
比田井天来に師事し、上田桑鳩が結成した書道芸術社に参加するとともに、昭和の書は昭和の文言で書くべきという「近代詩文書運動」を興す。毎日書道展開催に尽力。隋鷗社結成、その後創玄書道会を設立し、日本の書を世界に広めた。溝口健二監督『赤線地帯』、黒沢明監督『蜘蛛巣城』のタイトル揮毫でも有名。
《丘壑寄懐抱》で日展文部大臣賞。日本芸術院賞受賞。文化勲章受章。
金子鷗亭は北海道出身の書家で、比田井天来に師事しました。書をより親しみ深いものにしようと「漢字仮名交じり文」や「近代詩文書」を確立した人物でもあります。
今では当たり前のように親しまれている漢字仮名交じり文ですが、昔は書は漢字だけで構成されるものでした。金子鷗亭は主に近代の文学を題材に、漢字とかな、カタカナを混ぜて調和させた書を書き続けました。それは書をより多くの人に広めるためでもあり、その時代にはその時代の書が必要であるといった考えに基づくものでもありました。
有名な作品に《北原白秋詩『海雀』》や《武者小路実篤詩 レンブラント》があります。どちらも当時の作家の詩を引用し、字と仮名を調和させて書いた作品です。
昭和39年には書家の同志とともに創玄書道会を設立しました。創玄書道会は現代まで続く書道会で、多くの書家を輩出しました。金子鷗亭はその後も書家として活躍し、1966年には日展文部大臣賞、1967年には日本芸術員賞、1987年には毎日芸術賞と数々の大きな賞を受賞します。そして1987年には文化功労者として顕彰され、1990年には日本国最高の名誉とされる文化勲章を受賞しました。
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