秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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幻想の新宿

   

新宿区立新宿歴史博物館に行ってきました。

こちらでは8月26日まで

「幻想の新宿月岡芳年 錦絵で読み解く 四谷怪談―」を開催中。

新宿に伝わる伝説といえば、左門町に暮らしたお岩様にまつわるもの。

展覧会では四谷怪談を中心に怪談、奇譚を主題にした浮世絵が展示されています。

周延「形見草四谷怪談」※会場では3枚続きで展示されています。

こちら、めくりますと出てくるのは・・・。

オジリナルの浮世絵の展示とともに、

自分で提灯の部分をめくってみることができるレプリカも用意されていて、

早速お子さんがめくっていました。

こちらの戸板返しの場面を描いた国周の作品も展示。

こちらもめくるとお岩さんが・・・。

さて、展覧会もうひとつの柱が、月岡芳年の「新形三十六怪撰」

様々な伝説や怪奇なものを集めたシリーズで、

明治22年に出版が始まりましたが、芳年が入院。最後の出版は没後になりました。

今回は個人のコレクターの方からお借りして、前期後期で36点すべてを展示だそうです。

そのシリーズからご紹介。

芳年「新形三十六怪撰 源頼光土蜘蛛ヲ切ル図」

源頼光と土蜘蛛の伝説は多くの浮世絵師が描いていますが、

芳年の描く土蜘蛛はちょっとおちゃめな感じです。

こちらは江戸時代には「四谷怪談」など並び日本三大怪談のひとつとされた

牡丹灯籠(ぼたんどうろう)という怪談より。

旗本飯島平左衛門の娘、お露は浪人の萩原新三郎に恋したあげく焦れ死にをする。

お露は後を追って死んだ下女お米とともに、

夜な夜な、牡丹灯籠を手にして新三郎のもとに通うようになる。

二人の足もとはぼんやりと、幻想的に描かれています。

会場の入口はおばけや妖怪のディスプレイが。

妖怪や化け猫などのお面づくりコーナーもあります。

入場無料ですので、お子さんの夏休みの自由研究にも良いかもしれません。

 

 

 - 展覧会