具体美術協会(GUTAI)

具体美術協会は、具体美術具体GUTAIなどとも略される、吉原治良をリーダーとして1954年に結成された美術運動体である。

会の名前は「精神が自由であることを具体的に提示」することが由来と機関誌『具体』創刊号に記してあるが、そう決まった経緯はむしろメンバーの嶋本昭三が発した何気ない一言からついたという。

彼らの活動は「人のやらないことをやれ」という吉原治良のリーダシップによって行われ、白髪一雄の足で描く絵画、嶋本昭三の絵の具を投げつける「投擲絵画」、紙を突き破る村上三郎、「電気服」をまとった田中敦子のパフォーマンスなど、まさに戦後の「自由」を謳歌するような前衛的な表現をメンバーは体現していった。

リーダーの吉原はしかし戦前、自身の個展の批評を請うた藤田嗣治から「他の画家の影響を受けすぎる」と酷評されるなど、順調なスタートは言い難い芸術人生だったことから、戦後のこのオリジナリティを重要とした運動につながったことを考えると興味深い。

パフォーマンスと美術を結びつけた彼らの斬新な動きはしかし、当初はまるで評価されなかったが、彼らの運動はフランスの批評家ミシェル・タピエに見出されることになり、アンフォルメルの潮流のひとつとして海外での認知を受ける。2000年代に入ってさらにGUTAIの活動はさらに再評価を受けて、現在では「もの派」と並んで日本の戦後美術、あるいは現代美術の代表的な運動として知られる。

持続的な運動体としての「具体」は1972年の吉原の死を持って終了するが、入れ替わりながら携わった芸術家は60名にのぼり、各メンバーは活動を続けた。

<主たるメンバー>

上前智祐 金山明 木梨アイネ 嶋本昭三  白髪一雄 関根美夫 高崎元尚 田中敦子 名坂有子 名坂千吉郎 前川強 村上三郎 松田豊 松谷武判 元永定正 吉原治良 吉原英雄 向井修二 山崎つる子 鷲見康夫

 

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