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骨董品・美術品の相続性は正しい相続評価が重要

骨董品買取プロ代表 田中千秋
監修:骨董品買取プロ(運営:秋華洞) 代表 田中千秋

協同組合美術商交友会 理事長/全国美術商連合会 理事/国際浮世絵学会 理事/松風会 会主/東京美術倶楽部 会員/東京美術商協同組合 会員/浮世絵商協同組合 会員/築地ロータリークラブ 所属

この記事の内容は動画でも解説しております
  • 相続評価とは(その1)美術品は財産、宝飾・ブランド品も対象になります!

  • 相続評価とは(その2)美術品を評価する人は「精通者意見」によるとは何?

  • 相続評価とは(その3)「美術品時価評価価格査定書」を公式報告書として発行しています

美術品・骨董品は財産とみなされる?!

相続の際、美術品や骨董品はどう扱われるのでしょうか。実は、美術品は一つの「財産」としてみなされます。国税庁などのガイドラインにおいても、美術品はきちんとした評価を行い、申告するように定められています。具体的には、古美術品や絵画、掛け軸などはもちろんのこと、宝飾品やブランド品に至るまで、きっちりと評価をして相続対象としての値段を算出する必要があります。

日本の税法では、金銭価値のあるすべての権利や物件を相続財産と定義しています。現金や不動産だけでなく、売却して換金することが可能な美術品や骨董品も、その時の時価に応じた資産価値を持つものとして、公平に課税の対象となります。

つまり相続時には相続税が掛かる

美術品や骨董品が財産とみなされるということは、それらを相続する際には当然「相続税」の対象となります。対象となる美術品や宝飾品、ブランド品の価格を算出し、相続税の申告に含めなければなりません。

そもそも相続税とは

相続税とは、亡くなった人(被相続人)から財産を受け継いだ際に、その取得した財産の価値に応じて課される税金です。富の再分配を目的としており、個人の財産が世代を超えて引き継がれる際に、その一部を国に納める仕組みとなっています。

相続税には厳格な期限があり、「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」に、亡くなった方の住所地を管轄する税務署へ正しい形で申告・納税を行わなければなりません。

 

相続税の計算は財産の評価が重要

相続税を正しく申告するためには、対象となる財産がきっちりと評価され、正確な値段が出されていることが何よりも重要です。適正な値段を算出できず、誤って低く見積もってしまった場合や、評価方法を間違えた場合には、後日税務調査で指摘されるリスクが生じます。

では、具体的にどのようにして相続税の税額が決まるのでしょうか。申告に含めた全体の遺産総額から「基礎控除(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)」を差し引き、残りの金額に対して税率を乗じて計算します。日本の相続税は、遺産が多いほど税率が高くなる累進課税制度を採用しているため、美術品の評価額が加わることで税率の区分が上がり、全体の税負担が変化することもあります。

美術品・骨董品の相続評価とは

美術品や骨董品の相続評価とは、対象となる品の金銭的価値を算出し、相続税申告のための基準となる額を決定することです。単なる買取査定とは異なり、国税庁の財産評価基本通達に基づいた客観的な時価を算出する公的なプロセスです。税務当局が納得できる適正な時価を証明するためには、専門知識に基づいた論理的な裏付けが必要となります。

美術品・骨董品の相続評価ルール

美術品や骨董品の相続においては、不動産のように路線価があるわけではなく、預貯金のように通帳を見れば金額がわかるものでもありません。美術品の評価には、その特殊な性質に由来する独自のルールが存在します。まずは「美術品の価格とは何を指すのか」という基本的な考え方と、実務上で重要となる5万円という金額の境界線について詳しく見ていきましょう。

 

美術品は「定価」のない動産

美術品や骨董品は、法律や税務上では家財などと同じ動産に分類されます。しかし、一般的な工業製品とは大きく異なる特徴があります。それは、材料費や人件費といった製造原価という概念が通用せず、明確な「定価」が存在しない点です。

そのため、評価額は「いくらで作られたか」ではなく、「現在の市場で、いくらで取引されているか」という最新の流通情報を基に算出する必要があります。この時価の変動こそが、美術品評価において専門的な知識が必要とされる最大の理由です。

 

「5万円」を境にする評価の使い分け

定価がない美術品をすべて個別に鑑定するのは現実的ではないため、実務上は金額によって評価方法を使い分けるルールが設けられています。

1個(または1組)が5万円超の場合:

他の家財とは区別し、個別に評価を行う必要があります。著名な作家の作品や希少性の高い骨董品がこれに該当し、専門家による評価書が重要な根拠となります。

1個(または1組)が5万円以下の場合:

個別に申告する必要はなく、家具や家電などと一緒に家財一式としてまとめて評価し、計上することが可能です。

 

評価できない美術品・骨董品もある

美術品の中には、評価できないものや、評価額が「0円」となってしまう品物も存在します。例えば、完全にコピーされた複製品や偽物、あるいは鑑定の結果、美術的に価値がないと判断されたものに関しては、どうしても評価額は0円となってしまいます。ただし、0円と評価されたものであっても、複数の品をまとめることで、実際の買取時には少しお支払いしてお引き取りできるケースもあります。

美術品・骨董品の相続評価はどう決めるのか

定価のない美術品の評価額を決定するためには、いくつかの基準が存在します。評価額は、直近で公開されているオークションのデータや、業者間でやり取りされる交換会(市場)の相場、さらには百貨店などで実際に売られている相場などを総合的に勘案します。それに加え、現在の社会情勢の中で美術品の価値がどのように動いているかを専門家が判断し、最終的な評価額を導き出します。

国税庁が定める「財産評価基本通達135条」では、美術品・骨董品の評価について「売買実例価額」や「精通者意見価格」を参考にして評価するよう定めています。

 

売買実例価格

売買実例価格とは、評価する品物と同等・同種のものが、直近の市場で実際にいくらで売買されたかを示す客観的な価格です。美術品や宝飾品、ブランド品の評価においては、この「売買実例価格」を用いることが望ましいとされています。オークションデータや市場の相場、百貨店での販売価格など、実際の取引に基づくデータが売買実例価格の根拠となります。

 

精通者意見価格

相続税の申告においては、専門家の意見である「精通者意見」を参考にして評価額を提出するように求められています。精通者とは、古物商の免許を持ち、長年にわたり業を営み、東京美術倶楽部のような信頼のおける大きな団体・組合に所属している専門家を指します。業者間の市場交換会などで実際の取引に参加している専門家の意見であれば、役所に対しても正当な評価額として認められやすくなります。

税務署の担当者は美術品のプロではないため、申告された価値の妥当性を測る上で、この「精通者意見」が最も確実な根拠として扱われます。

絵画骨董買取プロは「精通者」としての余りある実績があります。

  • 創業から100年近く美術商として活動している
  • 東京美術倶楽部所属
  • 代表者である田中千秋の経歴:
    美術商交友会理事長 / 全美連理事(税制勉強会委員) / 国際浮世絵学会理事 / 交換会松風会主 / 洋画商共同組合理事および鑑定委員 / 現代美術共同組合元理事(CADA)

美術品・骨董品の相続評価は誰が決めるのか

前項での説明の通り、美術品の評価は「精通者」と呼ばれる専門家が適正に算出したモノの値段をもって、最終的な評価額とすることがほとんどです。

購入価格が明らかに5万円以下の少額な日用品・家財同等の品であれば、ご自身で大まかな査定を行い、「家財一式」としてまとめて評価・申告することも実務上は可能です。しかし、少しでも価値が不明なものがある場合は、専門家へ依頼するのが安全です。

 

正しい評価で申告しなかった場合

もし価値の高い美術品を意図的に隠したり、素人判断で著しく低い評価額で申告してしまった場合、税務調査で指摘を受けるリスクがあります。税務署は過去の資産購入履歴や、オークションの落札記録などを調査する権限を持っています。

調査の結果、申告漏れが判明した場合には、過少申告加算税や延滞税、さらには悪質と判断されれば重加算税といった非常に重いペナルティが課される可能性があります。適正な評価を行わなかった代償は、結果として本来の税額を大きく上回ることになりかねません。

 

信頼できる業者に相談する

美術品の相続評価においては、公的な場でも認められる適正な評価書を作成できる、信頼できる業者に相談することが重要です。長年の実績があり、市場の最新相場を熟知している業者であれば、責任を持って価格の根拠を説明してくれます。

特に相続税の申告は期限が限られているため、迅速かつ正確に「精通者意見」を出せる業者選びが、相続をスムーズに進めるための鍵となります。

信頼できる相続評価をしてくれる業者を選ぶポイント

美術品は定価がないため、依頼する業者によって評価額にブレが生じるリスクがあります。そのため、単に近所の買取店に持ち込むのではなく、相続申告という特殊な目的に対応できる「信頼できる業者」を見極めることが非常に重要です。具体的には以下の4つのポイントを確認しましょう。

 

透明性の高い査定根拠の提示があるか

評価額がなぜその金額になったのか、透明性の高い査定根拠を提示できるかも重要です。信頼できる業者は、作品の制作年代やサインの有無などを一点一点詳細に調査します。その上で、直近のオークションデータ、市場の相場、百貨店での販売相場、そして現在の社会情勢などを総合的に勘案し、最新の情報を基に評価額を明記してくれます。

このように、単なる勘や経験則だけでなく、客観的なデータに基づいた明確な査定根拠を説明してくれる業者でなければ、税務署を納得させることはできません。

 

法人を対象とした相続評価経験があるか

個人の相続だけでなく、企業(法人)を対象とした財産評価の実績があるかどうかもポイントになります。企業の会計において、保有する美術品が実際にいくらで換金できるのかを正確に把握することは非常に重要であり、企業の財産評価にまで対応している業者は信頼性が高いと言えます。

法人の資産評価は、個人の相続評価に比べて税務上の扱いがより厳格であり、複雑な対応が求められるため難易度が大きく異なります。法人対応の経験が豊富な業者であれば、個人の複雑な相続案件にも安心して任せることができます。

 

税理士や弁護士との提携があるか

相続評価は美術品の鑑定だけで完結するわけではなく、最終的な税務申告や遺産分割協議につなげる必要があります。そのため、相続案件に強い税理士や弁護士といった士業ネットワークを持ち、連携してワンストップでサポートしてくれる業者を選ぶと、手続きが圧倒的にスムーズに進みます。

専門家同士が連携していれば、評価書の形式や提出タイミングなどの細かな調整も円滑に行えるため、依頼主の負担を大幅に軽減することが可能です。

最終的に価値を確定させる「美術品時価評価価格査定書」

相続評価において最終的な価値を証明する公式報告書となるのが「美術品時価評価価格査定書」です。この書類には、一点一点の制作年代やサインの有無、オークションや市場相場などを基に算出された評価額のリストと合計金額が明記されます。公的にも活用いただける重要な書類として、古物商免許の記載とともにハンコが押され、改ざん防止のために割印や封が施された状態で発行され、責任を持った価格の証明となります。

この公式な査定書を税理士に提出し、相続財産目録に組み込んでもらうことで、はじめて適正かつスムーズな相続税申告が完了へと向かいます。

美術品・骨董品を相続する予定がある方へ

美術品や骨董品、会社の企業財産などの相続評価にお悩みの方は、ぜひ絵画骨董買取プロ(秋華洞)にお問い合わせください。実際にいくらの金額になるのか、一点一点丁寧にお調べしてお答えいたします。評価に関するご相談やご質問についてはフリーダイヤルにてお受けしておりますので、責任を持った公的な評価書が必要な方は、まずはお気軽にご連絡をお待ちしております。

自己判断での申告漏れや過大・過少申告を防ぎ、大切なご家族の遺産を正しく引き継ぐためにも、早めの段階でプロにご相談いただくことをおすすめします。

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コラム運営:絵画骨董買取プロ-専門買取スタッフ
監修者
骨董品買取プロ代表 田中千秋
代表 田中千秋

骨董品や美術品は、単なる財産ではなく、受け継がれてきた「時間」と「想い」そのものです。その価値を守り、次代へつなぎ、多くの方に触れてもらうため情報発信を継続していきます。

メンバー
絵画骨董買取プロ 金子
金子

日本美術全般の鑑定・査定を得意としており、コラムだけではなく、youtubeで絵画の解説動画も発信しています。ぜひご覧ください。

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