絵画にはどんな種類がある?様々な角度から解説

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手元にある絵画がどのような種類にあたるのか、また、その絵画にどれくらいの価値があるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。「絵画」といっても、日本画、洋画、現代アート、版画など実に多彩なジャンルが存在します。
本記事では、絵画の定義から始まり、秋華洞が取り扱う代表的な絵画の種類を丁寧に解説するとともに、題材・技法・画派・表具など様々な角度から絵画を分類・紹介します。手元の作品の種類や価値を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
- 絵画は多彩なジャンルに分類され、さらに題材・技法・画派・表具という様々な角度からも種類を分けることができます。
- 絵画の種類によって、使用する画材や表現方法、文化的背景が異なり、それぞれに固有の魅力があります。
目次
そもそも絵画の定義とは?
「絵画」とは、紙やキャンバス・絹などの平面上に、顔料や絵の具などあらゆる方法を用いて表現された芸術作品を指します。その技法や表現方法、題材は実に多岐にわたり、日本画・洋画・浮世絵・版画・現代アートなど、今日も新たな作品が生み出され続けています。
また絵画は、描かれるテーマ・使用する技法・画派・表具など、様々な角度から分類することができます。手元にある作品がどのジャンルにあたるのか、まずはその種類を知ることが、絵画への理解を深める第一歩となります。
絵画にはどんな種類があるのか?
一口に「絵画」といっても、そのジャンルは多岐にわたります。日本ならではの伝統的な表現から、西洋から伝わった油彩、さらには海外作家による西洋絵画、江戸の庶民文化が生んだ浮世絵、転写技法を使った版画、そして時代を超えた現代アートまで、絵画の種類は実に豊かです。ここでは、絵画骨董買取プロが取り扱う代表的な絵画の種類をご紹介します。
日本画
日本画とは、日本的な技法を用いて描かれた絵画のことで、明治以降に生まれた形式を指します。明治維新により西洋から写実表現や油彩技法が急速に入ってきたことで、それまで「絵」と呼ばれていた伝統的な絵画が「日本画」として再定義されることになりました。日本画の支持体は紙や絹が中心で、岩絵具や墨を膠(にかわ)で定着させる技法が用いられます。作品には落款が施され、共箱または共シールという作家による題名・署名の添付表示があるのが基本形式です。戦前は掛軸が中心でしたが、戦後は額装が主流となりました。
明治期には岡倉天心が指導した院展から横山大観・菱田春草らが台頭し、戦後は東山魁夷・平山郁夫・杉山寧など多くの大家を輩出し、日本画は今日も高い評価を受けるジャンルです。
洋画
洋画とは、明治維新以降に日本に急速に入ってきた油彩画全般を、「日本画」に対比してつけた日本独特の呼び名です。描かれた時代・技法・題材は幅広く、立体図法や写実表現など西洋の精神性を日本にもたらした重要なジャンルです。初期の代表的な画家には、アカデミズムを日本に持ち込んだ黒田清輝が挙げられます。大正・昭和にかけては岸田劉生・青木繁・萬鉄五郎・梅原龍三郎・安井曾太郎・中川一政など、多くの重要な画家がこのジャンルで作品を残しました。
現代では日本画と洋画の境界はやや曖昧になりつつありますが、歴史的には明確に異なるジャンルとして発展してきました。洋画は日本近代美術の根幹をなすジャンルであり、その多くが高い市場評価を受けています。
西洋絵画
西洋絵画とは、「洋画」とは異なり、海外の作家が西洋の技法や画材を用いて描いた絵画全般を指します。ビュッフェ・シャガール・ピカソなど世界的に名の知られた画家の作品から、サインが判読できない場合でも対応可能です。原画については、20世紀以降の近代西洋画家の多くは、特定の画廊や公的機関による鑑定制度が設けられており、日本の所定鑑定制度と似た仕組みが存在します。鑑定証がない場合や指定鑑定人以外が発行した鑑定証しかない場合は、適切な機関を特定して取得する手続きが必要になります。
リトグラフ(版画)については、有名作家であれば市場での需要が高く、作家のサインやエディションナンバーの有無、保存状態が査定の重要なポイントとなります。市場価値の高い作品はオークションへの紹介なども含め、様々な角度からのサポートが可能です。
中国美術
中国美術とは、山水画・花鳥画に代表される、中国の歴史と文化を反映した絵画を指します。4000年を超える長い歴史の中で育まれた中国の美術は、書画・陶磁器・茶器・青銅器・玉器など多岐にわたり、日本の書画や骨董とも深くつながりを持ちます。中国美術の作品には、中国本土で受け継がれてきたものと、日本国内で受け継がれてきたものがあります。日本国内で保管されてきた作品は品の良い桐箱に収められ、文人による箱書きが施されるなど丁寧に保存されているものが多い傾向があります。一方、中国から持ち込まれた作品は箱なしでも優れた品がある場合があります。
1970年代以降は加速度的に多様化し、現代中国美術も活発な市場を形成しています。来歴や保存状態が作品の価値に大きく影響するジャンルです。
浮世絵
浮世絵とは、主に江戸時代から大正時代にかけて制作された風俗画の総称です。美人画・役者絵・風景画・武者絵など題材は多岐にわたり、その技術と表現は今日も世界中で高く評価されています。浮世絵には大きく2つの制作形式があります。ひとつは「浮世絵版画(木版画)」で、絵師・彫師・摺師の三者による分業制で生み出される多色刷り版画です。同じ図柄を量産できる一方、職人の手摺りならではの風合いが一枚ごとに宿ります。
もうひとつは「肉筆浮世絵」で、絵師が直接筆をとって丹念に描いた世界に一点しか存在しない作品です。版画のように量産されるものとは異なり、絵師の筆致・画力・個性がそのまま宿るため、版画以上に高い美術的評価を受けることもあります。
版画
版画とは、木・銅板・石などの版材にインクを乗せ、紙に転写する技法を用いた絵画の総称です。同一の画像を複数制作できることが特徴ですが、各技法が生み出す独自の質感や表現のために制作されることも多く、アートとしての価値も高いジャンルです。代表的な技法には、木版画(浮世絵・新版画・創作版画)、銅版画(エッチング)、リトグラフ(石版画)、シルクスクリーン、リノカットなどがあります。日本では東山魁夷・片岡球子・平山郁夫らの日本画家による版画が今も多数取引されており、現代では草間彌生・村上隆・奈良美智・KYNEらの作品も高い相場で流通しています。
保存状態が良く、作家のサインやエディションナンバーがある版画は特に高価になる傾向があります。また近年はデジタル版画も登場しており、人気作家のものは評価されるケースがあります。
現代アート
現代アートとは、1950年代後半から今日にかけて制作された、作品形態や技法にとらわれない多岐にわたる表現形式を指します。絵画・彫刻・映像・インスタレーションなど形式は問わず、現代を生きるアーティストの独自の視点と表現が作品の核心となります。現代アートの真贋・評価においては、作品の出自・アーティストの署名・公認機関の証明書・制作技法の一貫性などが重要なポイントです。草間彌生のようにしっかりとした管理体制を持つ作家もいる一方、生存作家についての鑑定制度は作家によって異なります。
評価には、アーティストの知名度・影響力・受賞歴・展覧会履歴・作品の保存状態・希少性・市場での需要など多くの要素が複合的に関わります。国際的なオークション市場での評価が価格に直結しやすく、海外需要の高い作家の作品は特に高額になるケースもあります。
仏教絵画
仏教絵画とは、仏や菩薩・仏教世界を礼拝用に描いた絵画の総称です。仏教の教えや信仰を視覚的に表現したもので、曼荼羅・仏涅槃図・来迎図など多様な形式があります。江戸以前に制作されたものは骨董・書画の世界で扱われることが多く、明治以降に制作されたものは「絵画」として取り扱われます。長い歴史を持つジャンルであり、文化的・宗教的な背景が作品の価値に深く関わります。
様々な角度から分類される絵画
これまでご紹介したジャンル分け以外にも、絵画は様々な角度から分類することができます。題材(何を描いたか)・技法(どのように描いたか)・画派・スタイル(どんな思想に基づいて描いたか)・表具(どのような形式で仕上げられているか)などの観点からも整理することで、作品への理解がより深まります。ここでは、それぞれの視点から絵画の種類を解説します。
題材
絵画は「何を描くか」という題材によっても分類されます。題材によって作品のジャンルが変わるだけでなく、市場での人気や需要も大きく異なります。同じ作家の作品でも、題材によって評価額が変わるケースがあることを覚えておきましょう。以下に代表的な題材を整理します。
| 風景画 | 山・海・川・街並みなど自然や都市の景観を描いた作品。日本画・洋画ともに最も多く制作されるジャンルのひとつで、作家の個性が強く反映される。 |
|---|---|
| 抽象画 | 具体的な形を描かず、色・形・線などで感情や概念を表現する作品。20世紀以降に発展し、現代アートの主流のひとつとなっている。 |
| 静物画 | 花・果物・食器・楽器などの静止した物体を描いた作品。西洋絵画に多く、日本画では草花図として伝統的に描かれてきた。 |
| 動物画 | 犬・猫・鳥・馬・牛などの動物を主題にした作品。日本画では牛・鶴・虎などが伝統的に描かれてきた。 |
| 肖像画・人物画 | 特定の人物や群像を描いた作品。依頼主や時代を記録する歴史的価値が高く、特に肖像画は西洋絵画に多い。 |
| 幻想画・空想画 | 現実には存在しないもの、夢のような世界観を描いた作品。シュルレアリスムやファンタジー系の表現に多く見られる。 |
| 宗教画・神話画 | キリスト教や仏教などの宗教的主題、神話をもとにした作品。西洋絵画の歴史において長く主要なジャンルであった。 |
| 寓意画 | 抽象的な概念や道徳を人物・動物・象徴的な物体を使って視覚的に表現した作品。ルネサンス期から多く制作された。 |
| 歴史画 | 歴史上の出来事や英雄的場面を描いた作品。西洋の美術アカデミーでは最も格式の高いジャンルとされてきた。 |
| 風俗画 | 一般市民の日常生活や風習・習慣を描いた作品。浮世絵はその代表例であり、江戸の庶民文化を記録した貴重な資料でもある。 |
技法
絵画は使用する画材や描き方によっても分類されます。技法によって作品の質感・色彩・耐久性が異なり、鑑定・査定においても技法の特定が真贋判断の手がかりになることがあります。ただし、現代では複数の技法を組み合わせた表現も多く、技法だけで作品を単純に分類することは難しくなっています。以下の表では代表的な技法をご紹介します。
| 油彩画 | 油絵の具(顔料を油で溶いたもの)を使用してキャンバスや板に描く技法。重厚な色彩表現・光沢感が特徴で、西洋絵画の主流として発展。修正が容易なため、表現の幅が広い。 |
|---|---|
| 水彩画 | 水で溶いた透明な絵の具を使用して紙に描く技法。透明感と軽やかさが特徴。特に風景画や花の描写に好まれる。 |
| アクリル画 | アクリル絵の具を用いた技法。乾燥が速く耐久性に優れていて、油彩・水彩両方の特性を持つ。20世紀以降の現代アートで広く使われる。 |
| テンペラ画 | 卵黄などを媒材とした絵の具を使う古典的技法。緻密な描写が可能で、中世・ルネサンス期のヨーロッパ絵画に多い。 |
| フレスコ画 | 壁に湿った漆喰を塗り、乾かないうちに水彩絵の具で描く技法。主に建築壁画に用いられ、ミケランジェロの天井画が代表例。 |
| パステル画 | 粉末状の顔料を固めたパステルで描く技法。柔らかく繊細な色調が特徴で、印象派画家にも好まれた。 |
| 水墨画 | 墨の濃淡だけで表現する東アジアの伝統的技法。中国から伝来し、日本では室町時代に大きく発展。雪舟の作品が世界的に有名。 |
| 蝋画 | 溶かした蝋(ワックス)に顔料を混ぜて描く古代エジプト由来の技法。発色が鮮やかで耐久性が高い。 |
| ペン画・インク画 | ペンや筆でインクを使い描く技法。線の強弱・密度で表現し、版画の下絵や独立した作品として制作される。 |
| コラージュ | 新聞・布・写真などの様々な素材を貼り付けて構成する技法。20世紀初頭にキュビスムから生まれ、現代アートでも広く使われる。 |
| 版画 | 木・銅板・石版などに描いた絵を紙に転写する技法。木版・銅版・リトグラフ・シルクスクリーンなど多様な技法がある。 |
| ミクストメディア | 複数の技法や素材を組み合わせた表現. 現代アートに多く、既存のジャンルに収まらない自由な表現が可能。 |
画派・スタイル
絵画はどのような思想・理念に基づいて描かれたかという「画派・スタイル」によっても分類されます。画派とは、特定の美学・哲学・技法的傾向を共有する芸術家グループのことです。作品を鑑賞したり評価したりする際に、その作品がどの画派の影響を受けているかを知ることで、より深く理解できます。代表的な画派を以下にまとめます。
| 印象派 | 19世紀後半にフランスで生まれた。光の変化や瞬間的な印象を捉えることを重視し、モネ・ルノワール・ドガらが代表的。日本画家にも大きな影響を与えた。 |
|---|---|
| 表現主義 | 20世紀初頭にドイツを中心に発展。外的現実よりも内面的な感情や心理を強調した表現が特徴。ムンク・クレーらが代表的。 |
| 象徴主義 | 19世紀後半に発展。目に見えない精神的・神秘的な世界を象徴的な形象で表現する。モロー・ルドンらが代表的。 |
| 写実主義 | 19世紀中頃にフランスで発展。理想化せず、日常・社会・自然をありのままに描くことを重視. クールベが代表的。 |
| シュルレアリズム | 無意識・夢・幻想の世界を描く芸術運動。20世紀前半に盛んになり、ダリ・マグリットらが代表的。日本でも影響を受けた作家が多い。 |
| キュビスム | 20世紀初頭にピカソ・ブラックが創始。対象を複数の視点から同時に描き、幾何学的な形態で表現する革命的な様式。 |
表具
絵画は「何に描かれているか」「どのような形式で仕上げられているか」という観点からも分類することができます。日本画や中国美術のように絹や紙に描かれた作品は、鑑賞・保存に適した状態にするために布や紙で裏打ちし補強する「表装」という加工が施されます。この表装の形式によって、掛軸・屏風・襖絵といった種類に分けられます。一方、洋画や現代アートはキャンバスやパネルに描かれることが一般的です。手元の絵画がどの形式にあたるかを知ることは、適切な保管や取り扱いにもつながります。
| キャンバス | 油彩画・アクリル画などに使われる布(麻・綿)を木枠に張ったもの。洋画・現代アートの主流形式で、額縁に収めて飾られることが多い。 |
|---|---|
| パネル | 木板や合板などに直接描いたもの。キャンバスより硬く平面が安定しており、テンペラ画や日本画にも使われる。 |
| 掛軸 | 絵や書を布や紙で表装し、軸棒をつけて掛けられるようにしたもの。日本画・書・中国美術の伝統的な形式で、共箱が伴うと価値が高まる。 |
| 屏風 | 複数の面を連ねて折りたためるようにした絵画の形式。日本の伝統的な調度品であり、床の間や座敷を飾るために制作された。 |
| 襖絵 | 襖(ふすま)に直接描かれた絵画。日本の伝統的な建築空間と一体となった作品形式で、大画面の作品が多い。 |
まとめ
絵画には日本画・洋画・西洋絵画・中国美術・浮世絵・版画・現代アート・仏教絵画など実に多彩な種類があります。さらに題材・技法・画派・表具という様々な角度からも分類できることを解説してきました。種類ごとの違いを知ることで、絵画の本質的な魅力や文化的背景をより深く理解することができます。
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絵画の種類に関するよくある質問
絵画の中で特に高く売れる種類はありますか?
種類そのものが価格を左右するわけではありません。日本画・洋画・現代アートいずれであっても、著名な作家の真作であれば高値で取引される可能性があります。ただし、現代アートは国際的なオークションでの評価が価格に直結しやすく、海外需要が高い作家の作品は特に高額になるケースもあります。まずはお気軽にご相談ください。
鑑定書がない絵画でも買取してもらえますか?
鑑定書がない場合でも買取は可能です。ただし著名な作家の作品の場合、鑑定書の有無によって査定額が大きく変わることがあります。鑑定書がない場合でも、箱・額・サインなどの状態によって判断できるケースもありますので、まずはご相談ください。
手元の絵画がどの種類にあたるかわからないのですが、相談してもよいですか?
はい、もちろんです。絵画骨董買取プロ・秋華洞では、種類や作家が不明な作品でも丁寧に拝見いたします。店舗への来店のほか、LINEによる写真査定や出張買取にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
骨董品や美術品は、単なる財産ではなく、受け継がれてきた「時間」と「想い」そのものです。その価値を守り、次代へつなぎ、多くの方に触れてもらうため情報発信を継続していきます。
日本美術全般の鑑定・査定を得意としており、コラムだけではなく、youtubeで絵画の解説動画も発信しています。ぜひご覧ください。











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