美術品買取日記:徳田正彦の花瓶

2017年の秋。
私は某区某所のとあるマンションに出張査定に来ていました。

お伺いするのは、関西地方に引っ越しをされるお宅です。

新居はコンパクトに収めたいので、
今まで蒐集された美術品をまとめて売却したいとご相談を受けたのです。

朗らかなご年配の御婦人が丁寧に対応して下さいました。

お作品は徳田正彦の花瓶などがメインです。
作品の保管状態も非常に良く、本当に大切にされてきたのが伝わってきました。
青の色彩と黄色とのグラデーションが目を楽しませてくれます。

ご購入された年代は最も価格が高い時期だったと思われますが、
現在の相場に合わせた評価額にご納得いただき、買取が成約しました。

お客様のご希望は自分の大切にしてきた作品を次の世代に譲りたいというものでした。

美しい美術品を次の世代に引き継がせることは美術商の使命のひとつでもあります。
今回買い取りした品物を次の素晴らしい持ち主の元へ嫁入りさせることを約束し、
現場を後にしました。

このお客様のことは今も鮮明に覚えています。

実の孫のように温かく接してくれ、現場を後にするときも私の姿が見えなくなるまで見送ってくれました。
辛いこともある仕事ですが、このお客様との出会いが今の私を支えてくれているようにも思います。

つい先日、関西から上京した際にお客様が私を訪ねてくださいました。

その後もお元気にされているようで心から嬉しかったです。

(奈良岡)
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