秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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冬至です。

   

本日12月22日は冬至ですね。

冬至といえば柚子湯。

我が家でも今夜は柚子湯にしようと柚子を買ってあります。

思う存分柚子湯や料理を楽しみたい!と

10年ほど前に猫の額ほどの庭に苗を植えたのですが、

まったく花が咲く気配すらなく・・・。

なんでも「桃栗三年、柿八年、柚子の大バカ十八年」ともいうらしく、

柚子は実をつけるのに大変時間がかかる植物なんだそうですね。

気長に待つことにします・・・。

冬至の日に柚子湯に入るのは「ゆず」=融通がきくとも強い香りが邪気を払うともいわれていますが、

とのあれ、この季節、暖かいお風呂はうれしいものですね。

今日は「お風呂」にちなんだ浮世絵をご紹介します。

まずは柚子湯ならぬ、またたび湯のこちら。
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芳藤 新板猫の温泉

暖簾には「またたび湯」と染め抜かれています。

温泉にはハチマキ姿で背中を流す、猫の「三助」(釜焚き、湯加減の調整の他、垢すり、髪すきなども行う)も。

こちらはにぎやかな女湯の様子。

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芳幾「時世粧年中行事之内 競細腰雪柳風呂」

江戸時代は火災が多く、自前のお風呂を備えている家は少なかったそうです。

1800年代初頭には江戸に600件もの銭湯があったとか。

銭湯代は大人8文(50円)くらい。柚子湯などの日はご祝儀を含め、12文程払っていたようです。

誰もが銭湯に行った江戸時代、銭湯は情報交換の場でもありました。

脱衣所や洗い場の壁にはこの浮世絵のように引き札が所狭しとはられていました。

 

このほかにもまだまだお風呂に関する浮世絵はあります。

それだけ、お風呂は江戸庶民にとって愛され、特に銭湯は大事な社交場だったからでしょう。

 

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